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ご挨拶

2019年、当社は創業39周年を迎えました。
ここに創業からの経緯をたどりながら当社WEBサイト「ご挨拶」といたします。

2019年1月 代表取締役 鈴木 雅夫

創業

1980年9月、車と海外旅行好き2名の青年が趣味と実益を兼ねて国際産業情報研究所を創業しました。学生上がりで、会社勤めの経験がなく、自動車業界での勤務実績と周辺知識は皆無の船出でした。

初めての仕事は“アメリカ自動車産業の実態”。ひとりの青年がすでに始めていた印刷業の顧客から偶然に提案された出版アイディアです。海外(米国)での取材が必要となった仕事でしたが、2名は英会話と日本語翻訳には一応の自信があり、横文字を縦文字に変えてレポートをまとめることと海外への一人旅には学生時代からそれなりに経験があったので、この“アメリカ自動車産業の実態”は一年ほどの後、1981年10月ついに出版することとなりました。A4サイズで 532頁。写植とオフセット印刷、図表グラフを駆使した、糸かがり上製本の重厚な一冊、販売価格は18万円としました。

自動車産業へ特化

現代価格では2倍程の36万円相当するこの高額な調査報告書はそれでも我が国自動車業界でただちに評判になりました。結果、最終的に印刷200冊が完売されました。

80年代といえば日米自動車摩擦が最高潮に達する時期。北米各地では日本車憎しと叩き壊しがされた時代です。それまで得体の知れなかった競争相手の巨人ビッグスリーを日本で、はじめて詳細に企業解明した調査報告書でした。こうした時の流れもまた追い風となったといえましょう。

創業名の国際産業情報研究所にも示されているように、初めは、自動車だけが創業者たちの事業の対象予定ではありませんでした。当時、自動車の次に米国の建設、土木、金融、農業、電気、観光などさまざまな業界の調査報告書を各企業の有価証券報告書などの翻訳を手がかりに順番に取り組んでいくような事業が想定されていたのです。

しかし、はじめての製品になった“アメリカ自動車産業の実態”が我が国自動車業界周辺から大いに評価を受けたために 「次は何をするのか?」との強い興味・関心が殺到することとなり、ついに2作目は“ヨーロッパ自動車産業の実態”(一冊、こ れも18万円)ということになりました。これまた前作同様の高い評価をうけたために、国際産業情報研究所は海外専門の自動 車産業調査会社としての企業イメージが、当事者たちの意識とは裏腹に日本社会で一人歩きを始めていました。

大手自動車会社の委託

この時期から数年間、ある大手自動車会社調査部から年度毎に仕事が委託されるようになりました。毎年、同調査部発行の“自動車工業ハンドブック”の主力ページたる世界各国ならびに自動車メーカーの紹介原稿を合計約200頁相当代筆するという仕事でした。また海外自動車メーカー別に約100ページの特別報告書を数年間にわたって代筆するという仕事もありました。これらの依頼仕事は創業者2名を含む当社当時の素人集団をとても鍛え上げることとなり、急速に自動車産業「通」に育てていく結果となりました。

こうした中、職員数も5名前後となり、1985年4月、当社はそれまでの国際産業情報研究所(創業者の個人企業)の英文社名 International Industries Information Institute の頭文字からフォーイン(FOURIN。当時の我が国では、英文社名は法人名登録が認められていませんでした)として株式法人として登記し、会社体制を整えました。

月報の創刊

創業時期の当社は毎年、北米や欧州・アジアなどと地域別の調査報告書を数種類、散発的に発行していましたが、その出来と不出来、いわば短期間の取材と入手資料の精度に相当バラツキがあり、調査報告書への業界の関心にもかなりの温度差が発生するなど、安定収入をもたらしてくれる定期的な調査報告書製品を熱望する年を重ねました。

そしてついに1987年5月、“FOURIN自動車調査月報”という月刊タイプの製品を創刊することとなりました。この時期、すでに創業以来7年を経過していたので、社内での世界自動車産業関連資料は随分豊富となってきていましたし、職員の見識もそれなりに業界関係者と一応の「会話」になる段階に到達してきていたのです。結果、毎月、約50頁の製品を編集することができるスキルが磨かれてきました。

この月報は本年、創刊31周年となりますが、その後、1996年4月“中国自動車データ”(現中国自動車調査月報)、1999年4月“国内自動車調査月報”(現日本自動車調査月報)、2007年1月“アジア自動車調査月報”とそれぞれ分離独立させてきました。以上4種の調査月報は今でも、当社の主力調査報告書として会社製品の骨格をなしております。

中国自動車産業フォーラムと北京フォーイン

当社の中国での取材と調査活動開始は比較的古く、1989年春に始まりました。この年の6月には北京市内にて天安門 事件が発生しましたが、その3ヶ月前に当社から派遣された1名の調査員と1名の中国人通訳が世界ではじめて、当時の中国 自動車産業“三大三小”のすべての本社を取材訪問しました。北京を出発、東北の長春(一汽)から天津、再度北京を経由し て、上海(VW)から鉄路片道12時間山岳地帯奥の奥、湖北省十堰(二汽)を往復して広州(プジョー、当時)、そして北京ま で全行程8000キロ以上にもわたる1ヵ月取材になりました。1989年というと、中国での自動車生産はまだ年間乗商58万 台程度(2017年は2,901万台)であり、そのうち乗用車は28,820台(同2,480万台)という時代でした。当社は自動 車生産と販売における、全世界とくにアジアでの中国の重要性に早くから注目してきました。

その後の長年の交流を経て、2003年4月21日、当社は長春、北京、天津、広州、十堰から中国自動車産業界の重鎮 5名を日本に招待、名古屋市内において“中国自動車産業フォーラム”を自動車問題研究会と共催しました。このフォーラムに は550名以上の日本自動車産業関係者が出席し、日中の産業友好を深める一大交流会とすることができました。日本に招待 したのは自動車メーカーから朱偉成(第一汽車副総工程師)、苗圩(東風汽車総経理)、陸志峰(広州汽車総経理)、政府関 係から孫鵬(商務部外国投資管理司副司長)、研究機関から黄永和(中国汽車技術情報研究所)の各氏です

当社はこのフォーラムの半年後、北京に事務所を設置、現在は北京フォーイン(現地名は北京富欧睿汽車諮詢有限公司) として中国法人化しております。

中国自動車産業フォーラム
(2003年4月21日 名古屋市)

中国自動車市場フォーラム

当社はさらに、2010年3月8日東京、経団連会館にて「中国自動車市場フォーラム中国自動車市場の昨日・今日・明日」を自動車問題研究会と共催しました。このフォーラムは、2009年の年間自動車販売台数で中国が1360万台を記録、前年割れ21%の米国1043万台を超え、世界一の市場となったことをうけての緊急提案でした。

フォーラムには、中国側から中国自動車工業会(CAAM、中国汽车工业协会)から公式に熊伝林副事務局長ならびに黄永和氏(中国汽車技術情報研究所総工程師)をお迎えし、日本側から下川浩一(法政大学名誉教授)、陳晋氏(立命館大学経営学部教授)、渡部陽氏(日中自動車交流協会理事長)、孫飛舟氏(大阪商業大学准教授)、塩地洋氏(京都大学経済学部教授)、周政毅(フォーイン中国調査部部長)の各氏が出席、講演をいただきました。

このフォーラムには、日本全国から350余名の自動車産業関係者、その後の歓迎レセプションに約200名の参加者を得て、改めて、日中自動車産業界の交流と今後の日中協力のあり方について理解を深めることができました。

中国自動車市場フォーラム
(2010年3月8日、東京経団連会館)
フォーラムにて挨拶する熊伝林氏
( CAAM 副事務局長)
東京モーターショーにて(2017年)

東京モーターショー

日本国内で、当社は東京モーターショー(新聞・雑誌コーナー)に 毎回出展しております。初めての出展は2001年でした。以来、20 02年、2003年、2004年、2005年、以後2年隔年ごとに開催 される東京モーターショーに出展を続けております。
2017年の出展ブースでは最新の調査資料類を展示し、ご来店 の皆様に閲覧した他、同年10月に創刊した『世界自動車法政策調査 月報』の見本誌(無料)を配布するなどしました。

海外専門の調査会社として

当社では毎年のデトロイトやフランクフルトでのモーターショーへの取材活動はもちろん、米国・欧州・アジアはもちろん中南 米・アフリカ各国への直接訪問による政府、業界団体、自動車・部品メーカーの取材は定例の職員派遣業務です。当社では世 界各国の一般紙、経済紙・誌から業界紙、企業広報紙を各種、多数、定期購読していますが、このように直接的に取材活動す ることは当社の独自の情報収集としてとても重要視してきたことです。月報各種や特別調査資料に、時折にカコミなどとして編集される「Q&A」はそのインタビ ュー記事の生々しいやり取り問答の 紹介記事です。

また、当社は各国の政府や業 界団体と有料(契約関係を含む) または無料で、一部は当社調査資 料との交換で生産・販売などの毎 月または毎年のデータを入手して います。セグメント別・企業別・モデ ル別のデータは相当多岐にわた り、2018年12月現在で世界8 9か国になりました。国数を毎年少 しずつでも増加することができるよ うに関係職員は奮闘しています。

創業者新山均と現取締役田中八智代
(1988.9.11、フランクフルト)

日本自動車産業の国際化とともに

当社は日本の企業であり、原則的には「日本人の、日本人による、日本人のための」会社として創業しました。そして、日 本自動車産業が本格的に製品の海外輸出を開始し、さらに現地化を進めてきた1980年代からの自動車生産国際化の歩みと 同一の平行曲線を経て、歩み、成長してきた会社であります。

1980年代は主に北米に、90年代には欧州にも、21世紀に入るとアジア地域にもその本格業務を拡大してきました。日 本自動車産業の視線が向けられるところには、常に当社の焦点があわされるところとなりました。当社ではむしろ産業界に先ん じて調査員を派遣し、現地事情を報告することも少なからずありました。こうした当社の一連の海外調査が我が国自動車産業界 に長く当社を育てていただいてきた主たる要因のひとつになったものと受け止めております。

今日、当社の発行する6種類の月報を購読いただいている会社数は累計で約2,000社になります。また、毎年15種類 以上発行している特別調査報告書も同様に2,500社以上にご利用いただいております。ともに日系企業が中心ですが、中に は外国企業も含まれています。当社の発行する調査報告書はほとんどが日本語編集ですから、外国企業では社内で活躍されて いる「日本人スタッフ」に購読、ご利用されているものと思われます。

社是と業務基本手順

当社の社是4原則は創業以来一貫して変更ありませんが、第3項「当社は対象企業が公開を好まない資料は業務の対象外とする」ならびに第4項「当社は法的係争に関与したり、または関係国の国内法、規則、慣習に抵触する業務を行わない」は特に重要です。調査会社といっても当社は創業以来、情報ひとつひとつの価値性よりも、情報処理の重要性に着目挑戦してきた調査会社であるからです。もちろん、当社は企業秘密や産業スパイとは絶対に無縁の会社です。

ところで情報は常にあくまで断片的なものです。新聞紙・誌や報道機関が伝える日々の産業情報も企業情報も、その一つ一つがいかに重要なものでもあくまで時系列に沿った断片的な事象報道にしかすぎません。先に触れたように、当社の日常業務もまたこのような基礎情報によるところが多く、他社の報道活動に依存していることを、当社は隠すものではありません。

しかし当社の仕事はここからです。①横文字(外国語)を縦文字(日本語)に翻訳することに始まり、②断片的な情報を複 数の情報源からその真偽の判定を行い、正確で確実な情報を取捨選択、③かつこれまでの社内蓄積資料とレポート類ならびに 担当職員の見識と合同して、④編集会議によって指示されたレポートの趣旨に従って、さらに具体化された小テーマに沿ってお のおの簡単明瞭で解りやすい図・表・カコミ・一覧表などの一群を完成して、⑤最後にそれらの事実関係の総和を背景に、簡単な説明と解説を加えてレポートの全体のテーマを完成する。以上が、フォーインレポート作成業務の基本手順です。

類例のない調査ノウハウ

内外の調査会社やアナリストのほとんどは自動車メーカー等の巨大企業重役の前歴を冠した代表者が率いる会社や高名な 学者・研究者ばかりであり、その業務とするところはほとんどがコンサルタント業です。現役の重役職の皆様にとって諸先輩たち の実績ある経営アドバイス、それは値段すらつけられない大変価値あるものです。しかし、当社の仕事と我々の目指す業務はこ れら模倣の「経営指南」ではなく、世界の自動車産業で発生している事象をいかに効率的で正確・確実な形態を持って解りや すくご報告できるか、というところにあります。

前項のレポート作成業務の基本手順の他にも、報告書編集は当社が発想したさまざまな創意あふれる形式に基づいており ます。たとえば、月報定常レポートは1ページまたは2ページの見開きの編集方針が厳格に採用されており、読みやすく、わかり やすい構造となっています。また、その1ページ毎には原則「1対2」の比率で解説たる本文部分と事実表示の図・表・カコミ・ 一覧表の部分とで構成しております。さらに、すべての表題は一連の社内ルールに沿った簡潔な一文にて作成されており、この 標準的な表題表示は常に守られ、それは表紙の目次構成から索引検索利用にも反映されています。

前述の海外取材活動も含めて、このように、当社は全世界でも類例のないたくさんかつ独特の調査ノウハウをこの四半世 紀以上の歴史の中で生み出してきました。逆説的にはなりますが冒頭で告白したように、当社の創業そのものが実はそれまで自 動車産業にまったく縁もゆかりもなかったことがむしろ幸いして、すべての業務を初めから「無心」で試行錯誤してくることがで きたからの結果である、と最近になって回顧している次第です。

当社の調査報告書は時には「価格が高い」とのご意見が寄せられることがあります。なるほど当社のほとんどの調査報告 書は印刷物でありそれを図書費や資料代と見なされればそのようなご意見もわかります。しかし上記一連の調査ノウハウのすべ ては、当社が長年にわたって当社の調査報告書は決して図書費または資料代ではなく、海外事業計画や経営戦略の立案、策 定、点検、検証、時には参考、学習、意志決定にも資する全世界自動車産業の経営環境「情報費」または「調査費」であると 主張し続けてきた所以でもあります。

自営独立

ところで当社の本社は創業時から、創業者出身地であった愛知県名古屋市内に設置されたので長く、同じ県内にあるトヨタ 自動車と何か「ご縁」があるものと想像される方が少なくありませんでした。また、前述のように創業時期に東京のある大手自 動車会社としばらく深い受託仕事関係にあったことから、これまた、その東海地方への「隠密会社」と噂されたこともありました。

しかし、当社は創業以来これまでいかなる自動車メーカーやいかなる部品メーカーとも、さらにその他の会社・金融機関と も、人的または資本的(金銭的)な特別関係にあったことはありません。情報と調査を基本事業とする当社としてはある特別な 関係をある特別な企業と有するということはそれだけ「自由」でなくなることを意味するのであり、広く、我が国自動車産業界に 育てていただきたいと念願している当社として、ある意味では「自滅行為」となるからです。

過去の一時期にある特定の自動車メーカーと年間の定期業務を受託する関係にありましたが、それ以後すでに30年以上 も一切の受託仕事を受け入れてこなかったのもまったく同様の理由からです。経営環境の変化もあり、最近になって、当社は 「受託調査」を再開することといたしましたが、それらはすべて一過性の業務にすぎず、上記の基本姿勢に変更はありません。 当社には時折、内外からさまざまな提携、合弁、個別調査依頼などの打診がありますが、今後とも、自営独立の企業理念を堅 持したいと考えています。

地域調査グループと内容別調査グループ

フォーインには、4種の月報を主製品とする "地域調査グループ" と 2種の月報を中心とする "特別調査グループ" があり ます。 "地域調査グループ" には世界部、アジア部、中国部、日本部があります。

"特別調査グループ" には、『世界自動車技術調査月報』を担当している技術部と『世界自動車法政策調査月報』を担当 している法政策部があり、これまで『 Asia Automotive Intelligence 』を担当し、現在『 WATT (World Automotive Technology Trends 』の創刊を準備している英文製品部、各種年鑑を担当している年鑑部もあります。また、受託調査ならび にマルチ調査報告書を担当している企画調査部があります。

さらに、当社には、上記の調査部以外に編調査報告書の編集とデザインを担当している編集部と情報システム部、営業部 があります。

調査部は壁のない大部屋スタイル
(当社ビル三階)

FOURIN 図書館

フォーイン本社ビルの2階には約100坪全フロアーを占有した“ FOURIN 世界自動車産業図書館”と命名した領域があり ます。一部は40名ほどの講演会等が可能な多目的ホールにしています。“図書館”にはこれまで四半世紀にわたって当社が収 集してきた世界各国の自動車産業関係資料、いわばこれまでの当社調査資料の原資料のすべてが収納されています。

これまで、“図書館”は当社調査部職員を対象とした社内資料室としてだけ機能してきましたが、2008年6月から、完全 会員制として公開、ご利用いただくようにいたしました。

FOURIN 世界自動車産業図書館
(フォーインビル2階)

アジアのフォーインを目指して

当社が現在、もっとも注目している地域はアジアで す。この地域、21世紀の自動車市場ポテンシャルには計 りしれないものがあるからです。2017年実績で、全世 界販売台数9,700万台のうち、アジア地域では、主要 15ヵ国合計で4,407万台、中央アジア3ヵ国を含め ると4,418万台となりました。アジアではさらに成 長が期待できるのです。

全世界の自動車関係メーカーが一致してアジアに注目 し、その情報を集め、事業戦略を策定し、様々なフィージ ビリティー調査を手がけるのは当然です。まさに「アジア を制するものは世界を制する」時代がやってきました。

当社はすでに中国国内に全額出資の子会社を設立しましたが今後、インドを含めてアジア地域における情報収集と調査能 力をさらに重点的に充実していく計画です。四半世紀を経た当社ですが、21世紀は“日本のフォーイン”から「アジアのフォー イン」を目指してさらに成長していきたいものと考えております。

今後とも、自動車産業界を初め、内外関係者皆様の暖かいご支援とご指導をよろしくお願い申し上げます。