eAxle、バッテリー、デジタル機能、OTA、収益等から競争力を分析
比亜迪(BYD)は2022年3月に内燃機関車の生産中止を発表し、PHEV、BEVへの特化に成功した自動車メーカーとして世界から注目が集まっています。BEV専用プラットフォーム、PHEVシステムのDM-i、ブレードバッテリ等を全面的に採用することで、製品力、コスト競争力が磨かれ、2022年には188万台の生産台数で一汽-VWを抜き、中国最大自動車メーカーへ成長しました。
急成長の理由として、90%以上の内製率がもたらすNEV製品価格の低減、設備の半自動化、政府からの援助等が挙げられます。製品価格では、最量販モデルPHEVのSUV宋PlusDM-i、セダン秦PlusDM-iが、同クラスのトヨタRAV4HEV、CorollaHEVより安く、BEV専用プラットフォームの初モデル海豚(Dolphin)が競合のホンダFitとほぼ同じ価格です。2023年4月開催の上海モータショーで発表された海鷗(Seagull)のエントリー価格は7万元台。BEVと内燃機関車との価格差がほぼなくなったことで業界に大きなインパクトを与えました。低価格モデルは、電池、モータ、インバータ、エンジン等NEVで必要な要素技術はもとより、HMI、内装部品、Si/SiC/MC半導体等までも内製することで実現しました。一方で設備投資のリスクを最小限するため、肝心な工程のみに自動化設備を導入する半自動化の理念を推進しています。また、財務情報をみると中央政府、地方政府から開発・生産の助成金、従業員への賃金補助等を多く獲得していることが判明しました。これらの要因がBYDの急成長にどれだけ影響しているかと正しく理解するには、BYD事業の全体像を描く判断材料が必要です。
本調査報告書は、BYDの製品ラインアップ戦略、戦略部品の開発、生産体制、販売状況、組織人事等まで徹底的に調査することで日系自動車メーカーや部品サプライヤーの電動車戦略の立案に重要な参考資料となると確信しております。当案内書をご高覧いただき本報告書をご採用いただければ幸いです。
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BYD(比亜迪)の急成長要因分析
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![]() 第1章 |
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比亜迪(BYD)の製品戦略・部品開発
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製品ラインアップ、HEV/ICEとの価格競争を本格化するBYDブランド以外、Denza、 |
電池、ブレードバッテリーを全面的に展開、CTP、CTBのパック技術を採用し、 |
DM-iシステム、エンジン技術進化とモータの高出力化で燃費低減と加速性能を両立、 |
DiLink、デジタルコックピットの性能・品質の確保には外資系チップ、コネクタ等を採用 |
E/Eアキティクチャ、ドメインコントローラーを採用開始し、 |
半導体分野、垂直統合の強みを活かしパワー半導体(IGBT/SiC)技術向上、 |
熱管理システム、ヒートポンプを採用することで、EV航続距離の延長とコスト低減にも貢献 |
他部品、プラットフォームの導入とともに、NEV大衆車の部品共通化を推進、 |
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比亜迪(BYD)の生産体制、内外製戦略
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電池能増、2025年に約600GWhまで能力を急速に増強、一汽、トヨタへの外販も拡大 |
e-Axle/EHS、モータ組立、基板実装、ハウジング加工、アセンブリ組立を一貫生産 |
空調熱管理、シート、半導体等、完成車工場の能力増強に対応し、 |
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![]() 第3章 |
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比亜迪(BYD)の販売戦略
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海外/輸出事業、2022年輸出台数は前年比3.6倍、乗用車BEVを武器に海外進出を本格化 |
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![]() 第4章 |
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比亜迪(BYD)の研究開発体制 |
研究開発、完成車から部品・材料までの評価・実験設備を増強、 |
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![]() 第5章 |
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比亜迪(BYD)の財務状況
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財務状況、NEVシフトを重視し、収益が犠牲に、今後は製品上級化から収益率の改善を図る |
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![]() 第6章 |
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比亜迪(BYD)の組織体制 |
組織人事、競争力向上を図り、傘下部品事業の分社化を推進、技術人材の社内育成を重視 |