2015年1月12日に米国Detroitで北米国際自動車ショー(NAIAS: North American International Auto Show)が開幕した。12日と13日が報道関係者向け、14日と15日が業界関係者向け公開となり、16日はチャリティプレビューが予定されている。一般公開は17日から25日までとなる。12日と13日のプレスデイには世界約60ヵ国から5,100人以上の報道関係者が集まり各社のプレス向け発表を取材、25日の閉幕日までに米国とカナダから計80万人以上の来客が見込まれている。FOURINも会場取材を行っており、以下プレスデイ初日の12日の様子を報告する。
米国小型自動車市場は2014年に6%増の1,644万台に増加し、2015年は1,650万~1,700万台の高水準に達する見通しである。製品戦略において各社とも環境性能を重視する姿勢に変わりはないが、今回のショーではスポーツカーやハイパフォーマンスカーの新モデルやコンセプトを公開し、車の本来の魅力をアピールしたい考えも見られた。GMはPHEVのChevrolet Voltの第2世代モデルとともにEVコンセプトのChevrolet Boltを公開。Fordは2020年までにハイパフォーマンスカー12モデル以上を新規投入する計画で、今回のショーではF-150 Raptor、Mustang Shelby GT350とともにスーパーカーのGTを披露した。GTは高出力・高馬力の3.5L V6 EcoBoostエンジンを搭載し、カーボンファイバーやアルミを多用し軽量化も図られたスポーツカー。Fordはプレス発表で、米DOEの協力を得て、カーボンファイバー素材の量産モデルでの採用拡大を目指したDowAksaとの共同研究を強化する方針を明らかにしている。
日系自動車メーカーでは、トヨタがミドルクラスのピックアップトラックTacomaの新モデル、日産がフルサイズピックの新Titanを公開。ホンダはAcura NSXの量産モデルを発表し注目を集めた。新NSXは、新開発の直噴V6 GEをアシストするモーター、2個のインホイールモーターを組み合わせたハイブリッドスーパーカーで2015年に発売予定である。
欧州系ではBMWが新6シリーズ、DaimlerがM-Benz GLEクーペやCクラスPHEVを公開、Audiは新Q7と新Q3を発表した。米高級車販売では、2014年通年でBMWが首位を奪還、AudiがCadillacを抜きBMW、M-Benz、Lexusに続く4位に浮上している。このほかVWは2016年に量産開始予定のミドルSUVのプレビューとなるCross Coupe GTEを発表。現代は若年層をターゲットにしたコンパクトピックアップのコンセプトSanta Cruzを公開。スポーティなスモールCUVの後部にユーティリティ性の高い荷台を搭載したユニークなコンセプトとして注目が集まった。
2015年1月12日現在