アジア二輪車4,000万台市場のポストコロナ時代の新トレンド
アジアの二輪車市場は、2000年代成長期、2010年代成熟期を経たところで、コロナ禍の直撃を受けました。その影響から直近でこそ足踏みを強いられているアジア二輪車産業・市場ですが、世界最大の二輪車市場であるインドは2,000万台超、これに続くASEANも1,500万台超に需要を戻してくることが見込まれます。
フォーインは、アジア地域を対象とした「FOURINアジア自動車調査月報」で、これまで毎月欠かさず二輪車の産業・市場レポートを掲載してきました。それは、アジアが世界二輪車需要の80%を占める最大マーケットであり、かつ、日系二輪車メーカーにとっての主戦場であるためです。さらに近年は、今後のモビリティの在り方を考えるための要素として、電動車を含めた二輪車が再注目されており、二輪車産業を定点観測する重要性が増しています。特に、アジア地域をターゲットにシェアリングやMaaSなどの新たなモビリティを考える際には、四輪車だけでなく、その温暖な気候と歴史から「市民の生活の足」として深く根付いている二輪車を切り離すことができません。
こうした背景から今回、二輪車に特化したレポートを発行いたしました。本報告書では、「アジア二輪車産業・市場の総覧」をテーマに、主要二輪車生産国の市場概況や、主要二輪車OEMのアジア事業動向などを整理しています。それを踏まえた上で、2025年および2030年の主要国の二輪車総需要の予測や、不可避のトレンドとなっている電動二輪車市場に関する実態調査を、それぞれ特集記事としてまとめました。
アジア二輪車産業に関する情報整理や事業立案の参考資料として、本書をご採用の程、よろしくお願い致します。
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![]() 第1章 |
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アジア二輪車市場の現状分析と将来展望
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2.特集① アジア二輪車市場予測: 2020年代の市場拡大はインドがけん引、 ASEAN 3と中国は横ばいまたは漸減 | |
◇電動二輪車市場の概況(①インド、②中国、③台湾) |
◇主要二輪車メーカーの電動二輪車事業の概況 |
◇注目の電動二輪車スタートアップ(①睿能創意(Gogoro) ②Ather Energy ③Okinawa Autotech) |
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![]() 第2章 |
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アジア主要国の二輪車産業・市場動向
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1. インド | : | 2018年に2,000万台超えの世界最大市場、足元では環境・安全規制強化や経済成長失速で足踏み |
2. パキスタン | : | 人口2億人、二輪車需要200万台前後の有力市場、70ccモーターサイクルがマス市場を形成 |
3. インドネシア | : | 2000年代の急拡大期を経て二輪車総需要は600万~700万台で成熟、近年は輸出が拡大 |
4. タイ | : | 二輪車総需要は170万~180万台で成熟、110~125ccから125cc超への上級移行ニーズが拡大 |
5. ベトナム | : | 二輪車市場は300万台を超えて成熟、検討中の主要都市乗り入れ規制動向が将来的な押し下げ要因 |
6. フィリピン | : | 二輪車総需要は240万台超に拡大、ASEAN 3に続く2020年代の成長見込まれる有望市場 |
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8. 台湾 | : | 二輪車保有率は590台/千人とグローバル最高水準、政府の購入補助金が下支えし電動化トレンドが先行 |
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主要二輪車メーカーのアジア事業動向
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1. ホンダ | : | アジア販売1,800万台規模の最大手、ASEANのシェア盤石化とインドでのプレゼンス拡大に注力 |
2. ヤマハ | : | アジア二輪車販売は400万台水準を維持、インド工場集約など構造改革実施、フィリピン市場で攻勢 |
3. スズキ | : | アジア二輪車販売は140万台、125ccスクーターが的中しインドで販売急増 |
4. カワサキ | : | アジア含む新興国の二輪車販売は年間35万台、成長を睨むインド市場には専用モデル投入へ |
5. Hero MotoCorp | : | 世界二輪車生産能力は913万台/年に、ドイツR&D拠点も活用して電動二輪車の開発進める |
6. Bajaj Auto | : | 国内販売と輸出を両輪に生産拡大、電動スクーターChetakを発売し電動二輪車市場に参入 |
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8. Royal Enfield | : | プレミアム二輪車ブランドとして確立、インド国内の350ccモーターサイクル市場を独占 |
9. 光陽(KYMCO) | : | 台湾市場シェア4割の現地最大手、電動化では独自ソリューションIonexで競合Gogoroに対応 |
10. 三陽(SYM) | : | 台湾での販売は復調し2位水準を回復、電動化対応ではアルミニウム電池の活用目指す |