中西部での需要拡大が加速、2025年までに新車登録台数は3,000万台へ
中国の乗用車市場はマクロ経済のソフトランディングとともに、2015年から成長が鈍化し、伸び率も2014年通年の13.3%増から1桁成長に低下している。しかし、中国がまだモータリゼーションの初期段階であり、100人当たりの乗用車保有台数も9台未満という低い普及状況を踏まえると、市場の持続的な発展には変わりはなく、2025年までに3,000万台以上の年間販売規模が予測されます。
近年、中国乗用車市場の製品構造が変化しています。中国で最大のボリュームを誇るCセグメントの販売が停滞する一方で、SUVセグメントが急成長し、注目されています。SUV製品の投入が中国市場での成功を左右すると言っても過言ではありません。また、各地域の市場の特徴を見ると、東部地域の大都市で環境汚染や交通渋滞対策として自動車購入規制の導入が始まっており、これまで中国経済を牽引してきた沿岸部の市場は今後縮小すると見られます。一方で、中西部地域や東部地域の中小都市が今後の中国経済の成長を牽引すると見られ、内陸部での乗用車需要拡大が見込まれます。
「2025年中国乗用車市場展望」では、乗用車市場の実態をより正確に把握できる新車登録台数データをベースに、2005年から2015年1~5月までの地域別乗用車市場動向を分析し、今後10年の中国乗用車市場とその構造変化を展望するほか、各地域の市場の実態や今後の成長地域と分野を予測します。また、乗用車メーカー29社の事業戦略及びブランド別製品計画と今後の競争力変化を分析します。さらに、セグメント別の需要動向を分析することで、今後の乗用車製品の競争構造の変化についても詳しく解明します。
「2025年中国乗用車市場展望」は、今後、さらなる市場成長と変化が見込まれる中国で事業展開される自動車関連業界の方々に有益な情報を提供いたします。
当案内をご高覧頂き、関係部署とも相談の上、ご採用賜りますようお願い申し上げます。
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![]() 第1章 |
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2025年中国乗用車市場の捉え方
1 |
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2 |
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2. 中国消費者クラスター分析、「80後」が主力ユーザー、
2025年以降の主力ユーザー「90後」への対応力が問われる 4 |
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3. 中西部地域乗用車市場の現状と将来、今後乗用車市場の
けん引役・中西部市場が、2025年に市場全体の65%へ 8 |
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4. 環境・エネルギー問題、排ガス規制強化するも対応燃料供給が遅延、
原油輸入依存度向上で新エネ車の本格的な普及が必要 12 |
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5. 乗用車製品投入計画:SUV製品の市場投入か活発化、
中国系と欧州系がPHEVの投入拡大で燃費規制をクリアする方針 16 |
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6. 乗用車モデルチェンジ、ホイールベース延長が相次ぎ、
エンジン小型・ターボ化、変速機多段化がトレンド 22 |
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7. ブランド力強化戦略、製品力向上に向け外資系から導入した技術の活用を推進、
ブランド戦略の見直し、ブランド宣伝等にも注力 30 |
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8. 乗用車スペック分析:消費者の大型化嗜好が依然強いが、
燃費志向が高まる中、MPV・SUVで小型化シフトが開始 34 |
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9. 自動車市場政策総覧、中系による外資買収や新エネ車普及を支援、
中古車市場拡大に対応し税制整備や車両情報開示を促進 38 |
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![]() 第2章 |
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乗用車セグメント別需要特徴と展望
47 |
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セグメント別影響要素・特徴分析:SUVは最大セグメントへ成長、
実用性、多目的性重視が今後トレンド 48 |
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ミニ(A)・スモール(B):平均単価が上昇、SUV人気と低価格のCセグ車に押され、
2014年196万台に縮小 54 |
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ロワーミディアム(C):欧系メーカーがシェア3割を維持、
値引き競争増加で2015年に平均単価は下落 60 |
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アッパーミディアム(D):2015年に入り、市場の足踏みが続き、
平均単価は2008年の18.6万元から17.5万元に縮小 66 |
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ニアエグゼクティブ(E1)、エグゼクティブ(E2):
欧州系が8割以上のシェアを維持、華南地区と華東地区の構成比が64%を達成 72 |
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ラグジャリー(F):2015年1~5月は前年同期比10.9%減の3.4万台と低迷、
欧州系がシェアを独占 76 |
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スポーツ(Sports):欧州メーカーがシェア8割を握り独占、
安定した成長で2021年10万台市場へ 80 |
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MPV、B・C-MPV:中国系が低価格モデルを投入してシェア9割を実現、
上汽GM五菱と長安汽車が上位を独占 84 |
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88 |
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![]() 第3章 |
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行政区別乗用車需要特徴と成長力展望
95 |
地域別モータリゼーション、中西部と東部の中小都市の潜在需要が大きく、
2025年以降1世帯1台時代へ 96
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: |
100
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天津市 |
: |
購入規制の影響で現地生産車の新車登録台数は6.8%減少、
2015年の新エネ車保有台数1.2万台を目指す 104
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河北省 |
: |
乗用車保有規模が2014年末に750万台を突破、
SUVが乗用車全体の販売増加を牽引 108
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山西省 |
: |
2015年1~5月の乗用車新車登録台数は7.1%増の
24.8万台を記録、中国系の販売拡大が顕著 112
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内モンゴル自治区 |
: |
2012年から市場の成長鈍化が現れたが、
地域経済の発展に伴い市場は回復する見通し 116
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遼寧省 |
: |
日本車がシェア3割でトップ、駐車場不足も政府が対応策を
導入し市場は堅調に推移、2021年100万台市場へ 120
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吉林省 |
: |
2014年の新車市場は15.4%増と急成長、官民一体での
内需拡大策を積極的に展開し、2025年70万台市場へ 124
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黒龍江省 |
: |
一人当たりのGDP成長率が2014年は4.1%増に留まり成長鈍化、
2020年以降の市場規模も4~5%に停滞 128
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上海市 |
: |
ナンバープレート競売発給制度で保有率が低水準、
新エネ車販売好調で新車登録が一時急増 132
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江蘇省 |
: |
乗用車新車販売の減速感が高まり、100人当りの
乗用車保有台数は2025年までに25台前後と予測 136
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浙江省 |
: |
杭州市が自動車購入・走行規制を導入、他都市での導入も検討、
乗用車保有台数は2025年1,700万台へ 140
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安徽省 |
: |
2011年を除き、乗用車市場は二桁成長を維持、
向こう数年は購入・走行規制導入の可能性は低い 144
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福建省 |
: |
100人当りの乗用車保有台数が7台の低水準に留まり、
低速EV登録の法整備を推進、正規の認可取得に期待 148
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江西省 |
: |
低保有率を背景に乗用車の新車販売が高成長を継続、
南昌市の自動車走行制限が市場拡大の懸念要素 152
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山東省 |
: |
乗用車保有規模が1,000万台を超える高水準を記録も、
購入規制やナンバープレート発給規制は暫く導入せず 156
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河南省 |
: |
C-MPV、MPV、SUVの需要が堅調、
鄭州市での購入規制・走行規制導入の可能性が高まる 160
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湖北省 |
: |
生産拠点を持つ日系や欧系の他、中系も拡販を実現、
SUVやMPV市場でのシェア獲得が成長トレンドに 164
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湖南省 |
: |
五菱宏光や哈弗H6を中心に販売が拡大、
新エネ普及策に対応して衆泰汽車がEVの雲100を投入 168
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広東省 |
: |
日系がシェア4割を握る地域、登録規制実施で市場は
大きくペースダウン、2020年以降は3~4%に成長鈍化 172
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広西チワン族自治区 |
: |
中国車がシェア5割を独占、個人所得が低く、
2016年以降は4~5%の成長率で推移する見通し 176
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海南省 |
: |
日本車がシェア4割でトップ、価格競争に直面するが
2015年以降も7~8%の成長率で推移する見通し 180
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重慶市 |
: |
2015年1~5月の新車登録台数は前年同期比0.5%減に縮小、
一方で長安汽車等中国系の販売が拡大 184
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四川省 |
: |
欧系の現地生産車の新車登録台数がマイナス成長に陥り、
中国系が前年同期比18.9%増の高成長率を実現 188
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貴州省 |
: |
2015年1~5月の新車登録台数は前年同期比14.9%増の
19.2万台、SUVが全体の販売拡大を牽引 192
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雲南省 |
: |
2014年の100人当たり乗用車保有規模が7台と
全国平均水準を下回り、今後の市場拡大が見込まれる 196
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チベット自治区 |
: |
乗用車保有規模は2014年末時点で20万未満、
SUV、MPVが全体の販売拡大を牽引 200
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陝西省 |
: |
上汽集団や長安汽車が牽引し中系が販売拡大、
市場規模底上げに向けメーカーの進出が待たれる 204
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甘粛省 |
: |
外資系エントリーモデルが人気、
政府の支援を受けた新エネ車の普及に期待 208
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青海省 |
: |
中系を中心にSUVの拡販が継続、
西寧市を中心に保有台数が急増し交通渋滞が深刻化 212
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寧夏回族自治区 |
: |
乗用車保有率は全国平均を上回り、
SUVの市場規模が最大シェアのCセグメントに肉薄 216
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新疆ウイグル自治区 |
: |
2015年以降ウイグルでの新車登録台数減少が顕著、
フルモデルチェンジした東風日産X-Trailが拡販 220
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![]() 第4章 |
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2025年乗用車メーカー別事業戦略
225 |
乗用車系列・メーカー別2025年成長力展望:
一桁成長が続く中、中・欧が市場全体の6割を堅持する見通し 226
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<欧州系> |
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: |
230
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PSA |
: |
2015年1~5月の新車登録台数が1桁成長に鈍化、
製品ライン拡充や東風汽車との提携強化を推進 234
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BMW |
: |
2015年50万台以上の販売目標を打ち出しているが、
輸入車の販売不調が懸念要素 236
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Daimler |
: |
M-Benzは2015年に30万台の販売目標を設定、
現地市場向けの製品投入や販売網整備を強化 238
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FCA |
: |
2018年の販売目標を76万台に設定、
Jeepブランド車の現地生産と販売会社設立で販売拡大を目指す 240
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Renault |
: |
2015年1~5月の新車登録台数は前年同期比22.7%減の1.2万台
現地生産による製品ラインの拡充が課題 242
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<米国系> |
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GM |
: |
上汽GMは2020年に10%の乗用車市場シェアを目指し、
製品ラインの拡充と販売網の整備を強化 244
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Ford |
: |
2015年1~5月の新車登録台数は前年同期比0.7%増の35.6万台、
現地生産車の成長鈍化が顕著 246
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<日系> |
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トヨタ |
: |
将来の年間200万台販売に向け、販売体制の見直しと
HEVを含む新モデル投入を進める 248
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ホンダ |
: |
SUVを中心に中国市場向けモデル投入を活発化、
小規模店舗の設置により地方都市への拡販も狙う 250
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日産 |
: |
Infinitiブランド車やSUVの投入を加速、
2017年~2018年に年間販売200万台を目指す 252
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スズキ |
: |
長安スズキへの出資を引き上げて新モデル投入を加速、
SUVや中型車を中心に燃費を抑えつつ拡販を目指す 254
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マツダ |
: |
SKYACTIV技術導入で販売が急回復、
販売網整備や開発拠点の設置により更なる拡販を目指す 256
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三菱自 |
: |
年間30万台販売に向け、広汽三菱のSUV投入を強化、
将来的な現地生産も視野にPHEVの市場投入を準備 258
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いすゞ |
: |
江西五十鈴の稼働による乗用車事業が加速、
7シートSUVのmu-Xで大型SUVの需要獲得を狙う 260
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富士重 |
: |
国産計画頓挫や価格競争激化を受け販売目標を撤回、
小型店舗による販売網拡大やHEVモデル投入に注目 262
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<韓国系> |
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現代自・起亜 |
: |
2015年1~5月新車登録台数が前年同期比2.9%の微増、
現代と起亜ブランドで明暗 264
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<中国系> |
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上汽集団 |
: |
MG、栄威ブランドの2020年販売目標を100万台に設定、
SUV及び新エネ車の投入を戦略の重点に置く 268
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東風汽車 |
: |
2020年までに自主ブランド乗用車販売200万台達成を目標に設定
270
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中国一汽 |
: |
2020年までに自主ブランド車販売200万台を目指し、
紅旗の復活及び駿派の追加でブランド力向上を図る 272
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北汽集団 |
: |
2020年までに新エネ車販売20万台を目指し、
幻速ブランドを発表してマルチブランド戦略を遂行 274
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中国長安 |
: |
哈飛汽車の哈尓浜工場を長安Fordに売却、
2025年までにグループ販売600万台達成を目指す 276
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広汽集団 |
: |
自主ブランド事業強化に向けた「3+e」戦略を発表、
SUVを中心に製品ラインアップ拡充を推進 278
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華晨汽車 |
: |
ハイエンドの華頌ブランドを新規発表しマルチブランド戦略を展開、
SUV及びMPV投入に注力 280
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長城汽車 |
: |
SUV専業に向け経営資源をSUV事業へ集中、
紅藍標戦略発表でマルチブランド戦略を展開 282
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吉利汽車 |
: |
マルチブランド戦略の見直しに伴い新ブランドロゴを発表、
2019年までに販売120万台を目標に 284
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江淮汽車 |
: |
乗用車販売目標を2015年30万台に設定、
直営店の新設で販売網強化を目指す 286
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BYD |
: |
多様な市場需要対応に向けた「7+4」の新エネ車市場戦略を発表、
製品ラインアップの拡充を加速 288
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奇瑞汽車 |
: |
マルチブランド戦略を見直し奇瑞ブランドに一本化、
ラインアップ拡充を加速、販売網調整も展開 290
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