ポストコロナ時代に加速する欧米自動車OEM/Tier1部品企業のDX/BX投資
2016年に生まれた自動車産業の大変革期を象徴するCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング/サービス、電動車/MaaS)は、DX(デジタルトランスフォーメーション)やBX(ビジネストランスフォーメーション)という新たな概念に再編され、収斂しつつあります。自動車の付加価値は自動車というハードから、自動車の新しい魅力を担う電子技術や制御ソフトウェア、自動車を使ったサービスの内容そのものに移行し、自動車メーカーを頂点とした産業構造が揺らぎつつあります。自動車メーカーは自らの事業領域を再定義する必要性に迫られており、改めて消費者に求められる自動車とは何かを追求する構えです。
さらに、新型コロナウイルスの世界的感染拡大という災禍は、自動車産業の経営環境に激変をもたらしただけではなく、社会や消費者の考えを大きく変えるものです。自動車産業はコロナ前からの気候変動問題の解消に加え、社会の一員としてどのような形で貢献ができるかが求められるようになりました。自動車メーカーや部品メーカーは、厳しさを増す経営環境下、かつ巨額の先行投資が求められる状況でいかに収益を確保しながら、社会や消費者からの要請・要望に応えられるかが課題となっていす。
「欧米自動車産業のデジタルシフト」では、DX/BX関連の最新動向をトピック別に分析するほか、主要欧米自動車メーカーとTier1部品メーカーのDX/BX時代に対応したR&D体制への再編および体制強化に向けた各社の取り組み、他社との提携およびM&A動向といったR&D戦略を詳細にまとめました。
欧米自動車産業のDX/BX戦略に注目する皆様の参考資料として、本書を採用して頂けましたら幸甚です。
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コロナ禍の中で加速するDX/BX、鍵握るUX
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総論: | コロナ禍の中で加速するDX/BX、鍵握るUX |
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![]() 第1章 |
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CASE/MaaSからDX/BXへ
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1. 見直し迫られるCASE/MaaS戦略とDX/BXシフト |
2. DX/BX戦略はUXへの原点回帰から再構築 |
3. DXの象徴、自動運転SoC開発 |
4. DX | : | OTA制御書き換えを前提にしたE/Eアーキテクチャー |
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6. モビリティサービス | : | 自動車大手・新興メーカー参入も、コロナ禍により収益化が一層困難に |
7. 空飛ぶ車(UAM) | : | 米独のスタートアップの開発が活況、2020年代半ばにも商用化か |
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9. EUによる研究開発プロジェクト | : | 2021年開始のHorizon Europeは気候変動に焦点、持続可能性を汎欧州で追求 |
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![]() 第2章 |
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欧米主要自動車メーカー・部品メーカーのR&D戦略
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1. 欧米自動車メーカー・部品メーカーのR&D費比較 | : | 業界全体の伸びが2015年以降鈍化、自動車首位は7年連続VW |
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3. VW | : | ソフトウェアリーディングカンパニーの実現目指し、デジタル関連技術開発能力強化を推進 |
4. Daimler | : | 2024年の自社製OS搭載目指しSW開発に注力、開発費は中期的に抑制方針 |
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6. GM | : | 電動化と自動運転の開発に集中する戦略、ホンダなどの他社との提携を活用 |
7. Ford | : | モビリティ事業に加え、電動車と自動運転に投資欧米R&D拠点と提携活用で開発加速 |
8. Stellantis(PSA+FCA) | : | SW重視の姿勢に転換、電動化、デジタル化のキャッチアップ急ぐ |
9. Renault | : | デジタル化、アジャイル化によるエンジニアリングの効率化が最優先事項 |
10. Bosch | : | SW、AI開発進めAIoTカンパニーへ、エレクトロニクス製品のSW共通化しE/Eアーキテクチャ対応 |
11. Continental | : | ADAS/自動運転、デジタルソリューションなどの強化に向け、ソフトウェアとAI開発重視 |
12. ZF | : | 独自OSのZF Middlewareを開発し、SDV時代の到来に向け2024年の実装目指す |
13. Valeo | : | 電動車、自動運転、モビリティの3分野に注力、R&D費抑制しつつ2万人のR&D要員を確保 |
14. Magna | : | 電動化、自動運転を軸に開発進めるCTO経験者の新CEO就任で戦略変わるか |
15. BorgWarner | : | Remyに続きDelphi Technologiesを獲得、スケールメリットとSW開発能力を獲得 |