燃料電池車(FCEV)と水素エンジンの将来見通し
世界の主要国が、気候中立(ネットゼロGHG、カーボンニュートラル※)目標を2040~2060年に設定しています。自動車産業の気候中立化では、電気自動車(BEV)と再生可能エネルギーの組み合わせが本命視されています。しかし、すべての車種と用途、消費者ニーズをBEVだけで満たすことは不可能です。また、出力変動の激しい再生可能エネルギーを有効利用するためには、貯蔵や運搬に向かない電気エネルギーを別の媒体(気体/液体)に変換するPower to X技術が欠かせません。その際の媒体として有力視されているのが水素(産業用のアンモニア含む)や合成燃料(eFuel)です。しかも、多くのeFuel(Fischer-Tropsch法ベース)にとって、水素は必須材料です。さらに、今後のBEV増加と電力需要を考えると、BEVの給電にも水素が役立ちます。カギを握るのは水素であり、気候中立化と水素社会構築は表裏一体の関係にあります。
社会に水素が増えることで、パワートレインの置かれる環境も変わります。既に欧州では2020年頃から、燃料電池車(FCEV)だけでなく、水素を燃焼させて用いる水素エンジンの開発が再び活発になっています。本書では、BEVを補完するパワートレインのうち、FCEVと水素エンジンに焦点を当て、技術やコストなど、さまざまな角度からその将来性を探ります。
※カーボンニュートラルはCO2にフォーカスしたもの、ネットゼロGHGと気候中立はCO2だけでなくメタンやN2Oなどの温室効果ガス(GHG)にもフォーカスしたもの
※ 画像をクリックすると大きいサイズでご覧になれます。
▼2章へ | ▲PAGE TOP |
![]() 第1章 |
|
世界4極の水素政策
|
欧州の水素政策 |
欧州グリーンディールとセクターカップリング |
Fit for 55と水素パワートレイン |
水素バリューチェーン構築への財政支援 |
水素パワートレイン普及シナリオ |
欧州各国の水素バリューチェーン構築 |
FCEV販売と水素インフラの現状 |
水素生産/水素供給網への投資 |
EU、水素関連の主な政策・戦略・取り組み |
米国の水素政策 |
中国の水素政策 |
日本の水素政策 |
▲1章へ / ▼3章へ | ▲PAGE TOP |
![]() 第2章 |
|
主要自動車メーカーの電動車/水素戦略
|
VW/Audi |
Mercedes-Benz |
BMW |
Renault |
Stellantis |
Jaguar Land Rover |
Daimler Truck |
TRATON |
Volvo |
GM |
Ford |
Paccar |
Nikola |
Hyzon |
現代自 |
トヨタ |
日産 |
ホンダ |
日野 |
いすゞ |
三菱ふそう |
マツダ |
水素関連スタートアップ |
▲2章へ / ▼4章へ | ▲PAGE TOP |
![]() 第3章 |
|
主要自動車メーカーのFCEV技術開発
|
トヨタのFCEV技術開発 |
日野/トヨタのFCEV技術開発 |
日野/いすゞのFCEV技術開発 |
三菱ふそうのFCEV技術開発 |
ホンダのFCEV技術開発 |
現代自のFCEV技術開発 |
StellantisのFCEV技術開発 |
Daimler TruckのFCEV技術開発 |
▲3章へ / ▼付録へ | ▲PAGE TOP |
![]() 第4章 |
|
水素エンジン |
水素パワートレイン/eFuel/BEVの比較 |
水素パワートレイン/BEVのLCAとTCOの比較 |
水素エンジン開発の歴史と潮流変化 |
水素エンジンの基本構成、従来エンジンとの違い |
水素エンジンの排ガス後処理システム |
水素エンジンの熱管理とEGR |
水素エンジンの過給システム |
トヨタの水素エンジン開発 |
BMWの水素エンジン開発 |
MANの水素エンジン開発 |
AVL、大型商用車向けの水素エンジンコンセプト |
Cumminsの水素エンジン開発/KEYOU |
水素エンジン開発スタートアップ |
▲4章へ | ▲PAGE TOP |
![]() 付録 |
|
インタビュー
|
水素エンジンの可能性と量産に向けた課題 |
水素からeFuelへ |
水素エネルギーの社会普及 |