自動車産業を取り巻く環境は大きな変革の波のなかにあり、新たな法整備やルール作り、政策策定の動きは今後さらに活発化する状況です。
気候変動問題では温室効果ガス(GHG)削減の要求が強まる一方で、大気汚染問題を理由に、引き続きNOxやPMなどの排出ガスの低減が求められており、リアルワールドにおける有害物質の排出抑制に向けて法規制の策定・導入が進んでいます。米中間の覇権争いも世界全体に影響する重大なテーマで、貿易・通商政策の対立が深まっているだけでなく、技術競争、サプライチェーンの再編などにつながっています。コネクテッドや自動運転といった自動車に新たな付加価値を与える領域では、各国・地域間で法令作りが進んでおり、主導権争いが激しさを増しています。新型コロナウイルスのパンデミックを機に広がっているDX(デジタルトランスフォーメーション)も社会のあり方を変える力を持っていることから社会や企業がその恩恵を受けられる仕組み作りの必要も出てくるでしょう。
「FOURIN世界自動車法政策月報」では、気候政策・環境規制、安全規制、自動運転等の基準化・標準化、自動車税制、投資制度、貿易・通商、経済安全保障などに関わる最新動向を毎月お届けします。創刊から5年を迎えるなか、独自の視点で掘り下げたレポートを提供いたします。是非ともご活用ください。
最新号の目次を御案内します。
「FOURIN 世界自動車法政策調査月報」の構成をご案内します。
FOURIN 世界自動車法政策調査月報の特長
FOURIN 世界自動車法政策調査月報の構成
「視点」:毎号1本(各号1ページ)掲載
「特集」:世界の自動車関連法規・政策動向を1~3本(各4~12頁程度)
「定常レポート」:毎号7~10本(各1~6頁)
短信:毎号8~10頁程度
FOURIN 世界自動車法政策調査月報 2023年6月号 (No.69) | ||
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2022年中国のNEV(BEV、PHEV、FCEV)販売が政府環境規制速度を上回って拡大し、世界電動車1,000万台販売実現の原動力となった。規制対応はコスト高になるが顧客から金をとれない。規制ギリギリの達成はあっても規制を上回っての拡大は稀。中国NEV拡大の真因分析が問われる。コスト競争力、スマートコックピット機能、多様な製品提案等、複合的理由が考えられるが、ニーズに応えて短期で革新技術を織り込んだ開発・量産準備が可能、という破壊的な性格を理解することが真因分析に必要だ。
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2027MY以降の米国のGHG排出基準が提案されたが、バイデン政権のEV普及目標(2030年小型自動車新車販売の50%)をあっさり上回る水準となっている。環境保護庁(EPA)は2032MYの小型自動車新車販売のBEV比率を67%と想定しており、バッテリーの耐久性や保証要件を盛り込むなど、電動化シフトを色濃く打ち出している。車両カテゴリーの見直しも、BEVの車両重量に対する配慮である。一方で、内燃機関車の環境性能の向上に寄与してきたオフサイクル技術などに対する緩和措置は削減・廃止に向かう。
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米国では小型自動車GHG規制により、毎年企業平均値で車両のGHG排出量削減が求められる。自動車各社のコンプライアンス状況をEPAの報告書からまとめた。BEVやPHEVなどの販売が増加したものの、大型車やSUV人気を反映して基準値達成は厳しく、多くが貯蓄したプログラムクレジットの取り崩しや、他社からのクレジット買い増しで規制を遵守している。売り手はTeslaとホンダである。Fordやトヨタは成績を上げて2021MY基準値を達成し、プラスのクレジットを獲得した。
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FOURIN 世界自動車法政策調査月報 2023年5月号 (No.68) | ||
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ウクライナ戦争が引き起こした混乱により、世界のグリーン化が加速している。自動車のカーボンニュートラルはBEVが主軸という流れは変わらないが、2023年4月のG7気候・エネルギー環境閣僚会合で、初めて保有車両全体の低炭素化方針が話し合われた。e-fuelなどの低炭素燃料の普及を後押しすると同時に過渡的にハイブリッド車見直しのきっかけになる可能性がある。
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ここ数年、中国の新車販売はパンデミックの影響で2,500万台前後で停滞。NEVだけは過去2年間に200万台ずつ拡大し、内燃機関車からの代替が進んだ。この時期、新車供給不足を補填する形で中古車販売も拡大。健全な取引を目指して政府が構築した中古車情報ネットワークは、値落ちの速いNEVの正確な査定に役立つ、NEV時代到来を先取りした動きでもある。
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米国政府はIRA税額控除の規則案(ガイダンス)を2023年3月末に発表し、同年4月18日に適用開始した。これにより、既に適用済みの北米最終組立要件に加え、重要鉱物と電池部品の要件も加わり、米国系を除くほとんどの自動車メーカーの電動車が税額控除の対象から外れた。なお、2024年1月以降に適用される「懸念される外国事業体」の詳細発表は先送りされた。
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脱炭素に向けた世界の取り組みは今後どうなるのか。国際エネルギー機関(IEA)元事務局長の田中伸男氏に話を聞いた。米国のIRAや欧州のREPowerEUなど、世界はなりふり構わず脱炭素化を目指す「ニューインダストリアルエイジ」に突入した。再生可能エネルギーへのアクセスを念頭に置いた「グリーンサプライチェーン」の構築が急務である。
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Euro NCAP は2030 年に向けたロードマップを策定した。運転支援や運転自動化技術の搭載が増加する見通しに、2026 年以降にテスト・レーティング方式を改め、自動車メーカーにより高い安全を求める方針である。IntelligentSpeed Assist やDriver Status Monitoring など認証よりも厳しい要件を盛り込み、走行時の安全を評価する。ペダル踏み間違い防止技術も評価の対象に含めている。
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FOURIN 世界自動車法政策調査月報 2023年4月号 (No.67) | ||
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欧州委員会は2023年3月に重要原材料法案を発表した。グリーン化/デジタル化を進める上で不可欠な戦略的原材料の特定国(特に中国)への依存を解消し、サプライチェーンのレジリエンス向上を図る。もう一つ、EUは次期小型自動車CO2規制で2035年に100%減(2021年比)の事実上の全量ZEV化を目指しているが、土壇場でドイツやイタリア、東欧諸国が「eFuel容認の確約」を求めて反対に回り暗礁に乗り上げた。二つの話題に共通するのは社会の炭素中立化の難しさであり、それだけにマルチエネルギーアプローチの重要性が増す。
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欧州委員会は2023年3月、欧州重要原材料法案を発表した。2030年までに各戦略的原材料(コバルト、リチウム、マンガン、レアアース等)のEUの能力を向上させ、EUの年間消費量比で採掘能力を10%、加工能力を40%、リサイクル能力を15%とする。また、戦略的原材料の輸入先を多様化してレジリエンスを強化するために、2030年までにあらゆる工程における各戦略的重要原材料の特定第三国への輸入依存を年間消費量の65%以下にする。戦略的プロジェクトの新たな枠組みと要件なども定める。
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米国のバイデン政権は2023年2月15日、国内EV充電インフラの運営などに関する基準や充電インフラ整備に関するバイアメリカン要件の適用条件などを発表した。設備に関して出力やポート数、コネクターの規格などが定められ、全ての充電器がCCSタイプ1に適合するよう求める。サービスについては十分な基数や営業時間の確保、非接触決済の導入について規定し、運営を担う事業者に対しても財務・経営状況を定期的に報告することや、収益を公共に利する事業への投資に充てることなどを定めている。
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南アフリカ自動車工業会(NAAMSA)が、電動化関連のインセンティブ拡大やEPAの見直しなどを含む政策要望書を提出した。南アフリカは自動車生産台数の約半数を欧州向けに輸出しているが、そのほとんどが内燃機関搭載車。2035年電動化という欧州の規制に対応するためには早急な決断が必要であるが、政策整備は遅々として進まない。2023/24年予算案には新エネルギー車関係予算が計上されたものの、その使途は示されなかった。こうした具体策を欠く政府対応に、自動車業界関係者はいら立ちを募らせている。
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