株式会社フォーイン 世界自動車産業専門調査会社

利用規約・個人情報保護について

中国メーカーが存在感を増すシリアモーターショー 2010

第10回シリア国際モーターショー（＝10th SYRMOTORSHOW）は、2010年7月1日から7日の7日間シリアの首都、ダマスカス郊外のInternational Fair Groundで開催され、FOURINはプレスデーの初日となる7月1日～3日に現地取材を実施した。今回のショーは、日欧米韓中など世界各国の自動車59ブランドを扱うシリアのディストリビューターがおよそ300車両を出展した。

シリア国際モーターショーは、現地の民間企業であるProjexとAllied Expoが2001年から毎年共催するシリア国内向けの展示会であり、世界的な注目度は皆無である。出展の主体も、ダマスカス周辺の輸入車ディストリビューターが中心となっており、世界大手自動車メーカーの関与度は低く、市販車両の宣伝イベントという性格を持つ。ただし、今回のイベントでは、（1）中国やイラン自動車メーカーのシリア組立車の出展や、（2）シリアで初めて乗用車販売事業に乗り出す中国メーカーの出展が目立った。

2009年、シリアの二輪車を含む保有台数は175万台となっている。シリアでは中古車の輸入が禁止されているものの、排ガス規制がないことから廃車規制が存在しないのに等しく、自動車の使用期限が長い。また、新車市場は公式データが入手不可能なため推測の域を出ないが、関係者筋によれば年間10万台前後と推定されている。

市場特徴としては、韓国現代、起亜両ブランドがおよそ55%の高いシェアを持つ。一方で日欧米メーカーは割高であることから、現地では高級ブランドというイメージが強く富裕層向けのみで、一般消費者の手に届かない域にある。

シリアでは中間層以下は自動車を保有していない家庭が多いが、週末には遠出し遊山する習慣があるため、自家用車を保有することは全世代の夢でもある。ただし、輸入車には120%の輸入関税および車両登録税が課されるため、車両価格が割高である。このため、安価な中国車への需要が高まっており、モーターショーにおいても中国一汽（FAW）や長安（Chana）が乗用車のシリア初進出を果たすなど、中国ブランドがプレゼンスを拡大させてきている。以下、シリアモーターショーの主な内容を写真付きで報告する。

2010年7月1日現在

日本メーカー

韓国メーカー

欧米メーカー

中国･イラン･マレーシアメーカー