2021年4月19日、第19回上海モーターショーが開幕した。新型コロナウイルスの完全な終息のめどが立たない中でいち早く回復を見せた中国経済に世界自動車メーカーの期待が寄せられ、多くの新モデルや新技術が公開された。外資系メーカーはEV専用プラットフォームで開発したEVによってEV需要の高まりに対応する。一方、中国系メーカーは吉利汽車のZeekr、上汽集団の智己汽車、東風汽車の嵐図等、続々とハイエンドEVブランドを立ち上げ、外資系の事業拡大を迎え撃つ。中国自動車市場は成熟と共にニーズも多様化しており、自動車メーカー各社にとってまさにイノベーションの主戦場となってる。
各社の出展モデルを見ると、欧系メーカーについて、VWは大型SUVのTalagon、SUVタイプEVのID.6 X/CROZZ、上汽VWで新しく生産するAudiブランドのA7Lをワールドプレミア。DaimlerはEVAアーキテクチャ採用のEQSを展示し、BMWは大型SUVのiXをアジア初公開した。
米系メーカーについて、GMはCadillacブランドSUVタイプEVのLYRIQをワールドプレミア。加えて、Buickブランドから中国市場向けに開発したEnvision Plus、Verano Proを発表。
日系は、トヨタはEVコンセプトカーのbZ4X CONCEPTをワールドプレミアし、4世代目Highlander/Crown KlugerとCrown Vellfire HEVを発表。ホンダは中国市場に初投入するホンダブランドEVのe:prototypeと広汽ホンダで生産予定のBREEZE PHEVをワールドプレミア。日産はフルモデルチェンジしたX-Trailをチャイナプレミアした。
韓国系メーカーは、現代自がE-GMPアーキテクチャをベースに開発したIoniq 5とKia EV6を展示した。
中国メーカーについて、中国一汽は紅旗ブランドEVのE-QM5を発表。上汽集団は智己LS7コンセプトカーを発表。東風汽車は風神ブランドより奕炫MAXを、長安汽車は2世代目CS55 Plusを発表した。北汽集団はHuaweiのコネクテッドシステムを搭載したARCFOX αSを発表。吉利汽車はZeroコンセプトカーの量産モデルである極氪(Zeekr)001を発表。長城汽車はSUVの坦克800と3世代目哈弗H6の5G対応仕様を発表。広汽集団は傳祺ブランドよりEMPOW55影豹を発表、Aionブランド最新モデルのAion Yも展示した。
新興メーカーの出展も目立っている。威馬汽車のW6と小鵬汽車のP5はLevel 4水準の自動駐車システムを搭載。NIOは2022年に納車予定の新モデルET7の内装を展示した。零跑汽車は自社開発の自動運転チップを初搭載したSUVのC11性能版を展示。ユーザー獲得のために様々な工夫を凝らしている。
また、不動産大手恒大集団による恒馳汽車や、政府系企業の出資を受ける華人運通も発売予定モデルを展示し、注目を集めた。
2021年4月20日現在