67回目となるIAA(Internationale Automobil-Ausstellung、通称フランクフルト・モーターショー)が2017年9月12日に開幕した。開催日程はプレスデーが12日から13日の2日間、一般公開が14日から24日となっている。14日に行われるオープニングセレモニーにはMerkelドイツ首相も出席する。
IAAは、パリモーターショーと交互に、隔年で開催されている。会場はフランクフルト市内中心部のMesse Frankfurtで、今回は自動車業界に新規参入するIT企業等を含み、約1,000社が出展する。電動車、自動運転、デジタル化を主なテーマとして、228の新製品・新技術がワールドプレミアとして披露される。前回よりIAA内で並行して開催しているNew Mobility Worldは規模を拡大し、IT・ソフトウェア企業など新たなモビリティ社会に関わる多様な企業が参加し講演を行う。今回出展を中止した自動車メーカー/ブランドが複数あった中、IAAを主催するドイツ自動車工業会VDAは開幕前日のプレ・プレスカンファレンスで、New Mobility WorldがIAAの新たなコンセプトになると語った。
12日の自動車メーカーのプレスカンファレンスでは、ドイツ主要各社が電気自動車のコンセプトを発表。VWはクロスオーバーコンセプトのI.D. Crozz、DaimlerがMercedes-Benz AクラスのEV版とも言えるEQAコンセプト、BMWグループはBMWi Vision Dynamicsと称するクーペ型EVコンセプトと、Mini Electric Conceptを公開した。VWのディーゼル排ガス不正問題発覚以降、ディーゼルエンジンに対する不信感が増しており、EV開発への注力を強調した。ただ、VWもDaimlerも環境規制のクリアに向けては、電気自動車だけでなく内燃機関技術、ハイブリッド(PHEV)技術の開発も必要であるとし、全方位での技術開発を継続する考えを改めて発表した。
電動車の開発と並行して自動運転技術開発推進が引き続きトレンドとなり、Audiが発表した2つの自動運転車コンセプトのELAINE(自動運転レベル4)とAICON(完全自動運転、ステアリングホイール、ペダルなし)も目を引いた。このほか、M-Benzの発表したF1で培った技術を生かした約1,000hpの馬力のパフォーマンスEV、AMG Project ONEの登場に会場が沸く場面もあった。
ドイツ系以外では、ホンダが愛らしいデザインのEVコンセプトUrban EV Conceptを、RenaultがEVコンセプトのSymbiozを発表し、注目を集めていた。
2017年9月12日現在
BMWグループ
Daimlerグループ
VWグループ