第36回バンコク国際モーターショー(Bangkok International Motor Show)のプレス発表が2015年3月24日に行われた。タイのモーターショーは、ASEANの他の国々同様に展示即売会の色合いが濃いため、欧米や日本のショーとは異なり、新モデルやコンセプトモデルの発表は少ない。今回、トヨタがタイを中心に生産する新興国戦略車IMVシリーズの全面改良を2015年半ばに控え、新型モデルの発表が期待されたものの、発表は無く、目玉に乏しい内容だったが、現地報道陣でにぎわった。
今回プレス発表された市販用新モデルは、日系ではスズキの小型セダンCiaz、マツダのEcoCar対応車であるMazda2のガソリンエンジンモデル、三菱自の中型MPVであるDelica Space Gearの3モデル。スズキCiazはCivicやCorollaと車格が同じのCセグメントセダン。エンジンは排気量が1.25ℓで、新たな需要開拓を狙っていると見られる。Rayong工場で2015年6月に生産開始される予定。マツダは2015年1月に投入した新型Mazda2のディーゼルエンジンモデルに続いて、ガソリン車を投入した。当初は、マツダの技術を象徴する最新クリーンディーゼルエンジンを前面に押し出すことでブランドイメージの構築と浸透を図ってきたが、より手頃な価格のガソリンエンジンタイプを投入し、量的な拡大を目指す。価格は約55万バーツ~で、他のEco Carモデルの最低価格が40万バーツ程度に設定されているのと比較すると高めで、プレミアムBセグメントという新しい市場の開拓を目指している。一方でIMVシリーズの全面改良モデルの発表が期待されたトヨタは、量販FCVのMIRAIを目玉として展示した。MIRAIは今のところ日欧米のみでの展開が計画されており、タイへの市場投入はないものの、タイの消費者に世界最先端の技術をアピールする意図がある。また、BMWがPHEVのコンセプトモデルX5 eDriveを発表し、トヨタ同様に最先端技術をアピールし、消費者に先進性を印象付けようとしている。25日から一般公開が始まるが、低迷気味の自動車需要の刺激策としてどこまで貢献できるかに注目が集まる。
2015年3月24日現在