2021年11月25日、韓国京畿道所在のKINTEXにてソウルモビリティショー2021が開幕した。新型コロナウイルスの影響で2度延期されてからの開催となったこと、中国広州モーターショー、米国Los Angelesモーターショーと時期が重なったこともあり、出展社数、出展内容等は歴代のソウルモーターショーに比べると3分の1水準の規模に縮小したとされる。しかし、こうしたなかでも世界的な自動車産業におけるCASEを軸にした大幅な変革を反映しようとし、これまでの「ソウルモーターショー」から「ソウルモビリティショー」へ名称を変更、今後本格化するとみられるCASEに対応した自動車産業の変化を最重要テーマとし、最も注目される電動化、ADAS/自動運転などに関わる出品が多数あった。
出品の内容をメーカー別にみると、韓国系では現代自、起亜、Gensisが参加。主にBEVを中心とした展示がメインとなった。2022年よりBEVベースロボタクシーを実証する現代自はIoniq 5ベースのロボタクシー(自動運転レベル4対応)を、起亜は世界初公開となる第2世代Niro(HEV/BEV仕様)、2025年にすべての新車のBEV化を予定するGensisは、G80 EV、GV60 EV、GV70 EVをそれぞれ展示した。
また、外資系では欧州系ブランドが大きな存在感を示した。BEV/PHEVモデルを軸にAudiはA6 e-Tronコンセプト、Q4 e-Tronを含むBEVラインアップを、BMWはi4、iX、iX3、Mini Strip EVを、Mercedes-Benz は、EQA、EQB、EQSに加えアジア初公開モデルとしてEQE、Concept EQG、Mercedes-AMG EQSをそれぞれ公開した。このほか、PorscheはPanamera Platinum Edition(PHEV)をアジア初公開、MaseratiはRevante HEVをそれぞれ公開した。
このほか、新興BEVスタートアップでは、韓国系のMastaが7人乗りSUVとバン、Daechang MotorsはDanigo EV(小型トラック・バン等)をそれぞれ公開した。
韓国自動車市場では、近年韓国政府の2050年カーボンニュートラル化目標が示された中で、政府政策の影響を最も受けやすいとされる韓国系を中心にBEVシフトを軸とした電動化が鮮明であった一方、外資系では電動化への対応も進んでいるものの、依然として高価・高収益モデルの拡販が見込む市場といったアプローチから出展内容に明暗が分かれている。
2021年11月25日現在
現代自
起亜
Genesis
Audi
BMW
Mercedes-Benz
Porsche
Maserati
いすゞ
Masta
Daechang Motors