2013年4月20日、第15回上海国際モーターショー(Auto Shanghai 2013:20日プレスデー、21日業界関係者向け、22〜29日一般公開)が開幕した。今回のモーターショーでは約1,300台が展示され、うちワールドプレミアは111台、アジアプレミアは49台だった。自動車メーカー各社は中国で人気のSUVを中心に新モデルやコンセプトカーを相次いで発表、また環境汚染が深刻化する中、省エネ・新エネ車の出展も目立った。
VWは、低燃費モデルを中心に出展し、Blue Motion技術をアピールした。2015年までに燃費を11%改善させる計画を発表し、低燃費に向けた製品開発を続けていく姿勢を示した。また、2012年後半に大幅な減産を強いられた日系メーカーもワールドプレミア車やチャイナプレミア車を相次いで発表し、中国市場を重視している姿勢が発表された製品ラインナップからも見て取れた。中でも、日産は、中国の80年代生まれの若者をターゲットに開発されたコンセプトカーFriend-MEをワールドプレミア車として初公開した。同モデルはHVで、鮮やかな青い色合いが特徴的だった。
また今回のモーターショーではトヨタの現地合弁メーカー二社がそれぞれ合弁自主ブランド車を発表したほか、日産の現地合弁メーカーの東風日産が自主ブランド啓辰のコンセプトカーVIWAを発表するなど、日系メーカーを中心に合弁自主ブランド戦略が加速している印象を受けた。一番早く合弁自主ブランド車を投入した広汽ホンダも理念S1の新モデルを発表しており、日系メーカーの中国事業において、合弁自主ブランドの役割は一層大きくなってきていると感じた。
第3段階燃費規制の実施や中国ユーザーの環境意識の高まり等を反映し、今回のモーターショーでメーカー各社はHVやPHV、EVを出展し、環境技術の高さをアピールしていた。これまで、中国メーカーによるEVの試作車の出展が多く見られたが、今回は外資系メーカーもコンセプトカーとしてEVやPHVを多数出展していた。ただ、今回の取材でメーカー関係者らはみな、充電インフラが不十分なため、EVやPHVの普及はほとんど進んでおらず新エネ車の普及にはまだ時間がかかるとの認識を示している。
2013年4月22日現在