2023年4月18日、第20回上海モーターショーが開幕した。「ゼロコロナ」政策終了後に行われた今回のモーターショーは、自動車メーカー、部品サプライヤーの他、自動運転、LiDAR、半導体等の技術を開発する企業も出展し、多くの新モデルと新技術が展示された。急拡大している中国の新エネルギー車(以下、NEV)市場でのシェア争奪戦が激化する中、NEVが同モーターショーの主役となる。
欧州系メーカーでは、VWはモーターショーの開催に合わせ、安徽省合肥市でICV(Intelligent Connected Vehicle)の開発、部品調達を手掛ける新会社を立ち上げると発表し、モーターショーの会場では、BEV最新モデルのID.7とともに、中国専用車のID.7 VIZZIONも公開した。BMWとM-BenzともBEVコンセプトカーを展示した。
米国系メーカーのGMはモーターショー前に発売したBuickブランドBEVのElectra E5を披露した。ChevroletブランドはBEVコンセプトカーのFNR-XEを展示し、BEV事業強化の姿勢を強調している。Fordは、中国製ピックアップトラックのRangerと大型SUVのEdge Lを展示した。
日系メーカーでは、トヨタはbZシリーズコンセプトカーの2モデルを披露した。BYDと共同開発したbZ Sport Crossover Concept及び広汽集団と共同開発したbZ FlexSpace Conceptである。ホンダは、「e:N」シリーズ第2弾の「e:NP2 Prototype・e:NS2 Prototype」と、e:Nシリーズ第3弾のコンセプトモデル「e:N SUV 序」を世界初公開した。日産は中国初公開となるBEVコンセプトカー「Max-Out」、中国現地ユーザーのニーズに応じて開発したBEVコンセプトカー「Arizon」をワールドプレミアした。
韓国系メーカーの現代自は高性能「N」シリーズの中国市場進出を発表し、Kiaはガソリン車のSeltosを発売させたほか、BEVコンセプトカーも展示した。
中国系国有大手の上汽集団は、NEV事業強化の3ヵ年行動計画を発表し、傘下の「智己」、「飛凡」ブランドは最新モデルを披露した。中国一汽は紅旗ブランド新車を展示したほか、BEVプラットフォームHME(HQ Modular Electric)、インテリジェントプラットフォームのHIS(HQ Intelligent System)も公開した。東風汽車傘下の風神ブランドはNEV事業加速の事業計画を発表し、BEVブランド嵐図はBEV新製品の追光を発売した。
海外市場でも存在感を放つBYDは王朝シリーズSUVの宋L(BEV)と海洋シリーズ駆逐艦07を展示し、新たに立ち上げた高級ブランド仰望もモーターショーでのデビューを果たし、注目を集めた。吉利汽車はe-CMAプラットフォームベースに開発したSUVタイプPHEVの銀河L7を公開し、中国CLTCモードでの航続距離が1,370kmに達したとアピールしている。
新興メーカーのNIOと理想汽車は新車を発表していないが、小鵬汽車は800V電圧プラットフォームで開発したG6を公開し、合衆新能源はBEV新製品の哪吒GTを発売した。
2023年4月20日現在