2015年10月27日、第44回東京モーターショーのプレス発表が行われた。前回のモーターショーと比べて異なる点が3つあり、1つは円高などにより日本自動車メーカー各社は業績が戻りきっていなかったことと比べると各社に勢いや活気が見られたことである。また2010年代も半ばに差し掛かっていることから、2020年代を見据えた発表が多く、近未来が見わたせるショーとなった。特に2年前には実用化の道筋が中々見えてこなかった自動運転技術は各社が2020年の高速道路での実用化を標榜するなど、より具体的な形で道筋を想像できるようになった。さらに日本自動車メーカーの旺盛さに反映されるように、例年の東京モーターショーと比較して海外メディアの数も多かった。
例年のモーターショーでは日本自動車メーカー各社の発表は「環境」や「安全」といった最新技術を競う場の傾向が強かったが、今年の東京モーターショーではより根本的な車の楽しさを提案する場としての色が濃かった。トヨタはこのところ強調している「人をワクワクさせるもっと良いクルマ」をテーマに小型スポーツのコンセプトと今ブームの小型SUVを発表。ホンダは従来のホンダのカラーであるチャレンジングな製品を改めて提供することを強調。その象徴としてFCVの市販予定モデルを発表、また走る楽しさと低環境負荷を両立した新型NSXを公表した。日産は電動化と知能化を商品アイデンティティとすることを改めて強調、完全自動運転車と軽EVのコンセプトモデルを発表した。三菱自は、電動化技術とSUVに特化したメーカーとしての道を、マツダは人と車の一体感による走る楽しさを、富士重は世界最先端の安全技術と走る楽しさの融合と、各社が「車の楽しさ」を実現するための手段として多様な選択肢を提供するショーとなった。
2015年10月27日現在
トヨタ
ホンダ
日産
スズキ
ダイハツ
マツダ
富士重
三菱自