低価格戦略車とグローバルサプライチェーンを支えるコスト競争力
アジア自動車部品産業は、内需拡大と輸出拠点化により成長を続けています。高い経済成長をみせるインドやASEANでは、自動車生産の拡大に伴って部品メーカーが増産投資を活発化しているほか、低価格車による製品競争が激しさを増すなか、自動車各社や部品サプライヤーは従来よりも踏み込んだコスト競争力の獲得を目指しており、その低コスト技術に注目が集まっています。また、コスト競争力の高さと品質向上を背景にアジアを世界への部品供給拠点、分業・補完拠点に位置づける動きが加速しており、グローバルなサプライチェーンにおけるアジア地域の重要性が一層増大しています。
アジアでは、各国の経済発展度や競争基盤が多様であることから成長シナリオとリスクも様々です。インドでは、中長期的に自動車生産が1,000万台に拡大すると見込まれ、現地企業や主要外資が積極的な投資を進めています。また、欧米などへのパワートレイン部品の輸出拠点としての成長も期待されます。ASEANでは、タイとインドネシアを中心に投資が拡大。「アジアのデトロイト」を目指しているタイは、ASEANのハブ拠点としての地位を確立しており、こうしたなかで包括的で層の厚い部品産業が形成されつつあります。一方で2011年秋に洪水リスクが顕在化しており、ASEAN域内ではリスク分散のための分業・補完体制の再構築が進むと考えられます。域内最大の人口を持つインドネシアは、低価格車の生産・販売促進策を導入し、自動車および部品産業の成長力の最大化を目指します。また、マレーシアやフィリピン、ベトナムなども生き残りをかけて成長戦略を模索。韓国と台湾は、それぞれ海外市場の開拓を目指すとともに、電気自動車やハイブリッドカーなどの環境車分野での世界的なプレゼンス獲得を狙っています。
『アジア自動車部品産業2012』は、アジア地域の部品産業が持つ成長機会とリスク要因を分析するとともに、将来に向けた発展の方向性を展望する調査報告で、主要9ヵ国の部品産業の現状と成長シナリオ、主要な自動車メーカーの生産・調達に関わる動き、主要サプライヤーの事業動向をまとめる内容となっています。
当案内をご高覧の上、是非とも本書をご採用賜りますようお願い申し上げます。
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![]() 第1章 |
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アジア自動車部品産業の現況と将来展望
1 |
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![]() 第2章 |
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完成車メーカーのアジア生産・調達動向
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1. 現代自グループ |
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韓国では生産効率化、海外では地域ごとに
相互補完機能を強化 14
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2. Tata Motors |
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10万~20万ルピーの廉価車・トラックが好調、
Pantnagarなどで能力増強を進める 22
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3. Mahindra & Mahindra |
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2010年に部品調達先を海外に拡大、
大型投資で能増を進める 24
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4. Proton |
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提携拡大で製品ライン多様化へ、パワトレ内製や
サプライヤー育成を強化 25
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5. トヨタグループ |
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Etiosなどの廉価車投入を加速、現調強化による
コスト低減に注力 26
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30
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7. 日産 |
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March/Micraを機に能増と現地化が進展、
インドとASEANの供給拠点化が加速 32
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8. スズキ |
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インドを日本並みの拠点に育成、ASEANでも
小型車投入に伴い現地化強化 34
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9. いすゞ |
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タイのピックアップ事業をさらに強化、
新興国トラックによる市場開拓が本格始動 36
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10. 三菱自 |
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タイ工場を年産50万台体制に強化、
グローバルスモールの製品競争力が鍵に 38
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11. GM |
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韓国ではアジア主要拠点向けKD事業を強化、
インドでは小型車の生産能力を増強へ 40
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12. Ford |
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インドを小型車とエンジンの輸出拠点に、
ASEAN事業はタイに集約する方向 42
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13. VWグループ |
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インドで小型車投入を加速、シェア拡大に問われる
国産化率の引き上げ 44
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14. Daimlerグループ |
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インドで現地専用トラックを投入へ、
三菱ふそうはインドネシアを強化 45
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![]() 第3章 |
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アジア主要国の自動車部品産業の概況
47 |
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48
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2. 台湾 |
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ICT産業で蓄積した製造技術を活用し
カーエレクトロニクス及びEV産業の育成促進図る 60
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3. タイ |
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Eco Car始動で年産250万台へ、アジア・大洋州地域の
中核事業拠点に発展 68
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4. インドネシア |
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LCGC政策による自動車増産の期待高まる、
国産化強化の動きが拡大 78
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5. マレーシア |
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HEV/EV分野の集積や高付加価値化を図り競争力強化を目指す
86
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6. フィリピン |
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変速機などの分業拠点としての成長を進めるが
組立産業の流出が足かせに 92
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7. ベトナム |
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コスト競争力を武器に分業拠点化が進行、
組立産業の成長停滞がボトルネック 96
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8. インド |
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パワトレ部品などの輸出拡大と内需成長が進行、
2020年の部品生産は1,100億米ドルの可能性 100
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9. パキスタン |
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AIDPでは部品産業拡大は図れず、中古車輸入緩和政策で
成長実現は不透明 112
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![]() 第4章 |
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第4章 主要自動車部品企業100社のアジア事業
117 |
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掲載企目次
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![]() 付録CD |
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アジア自動車部品企業2,970社ダイレクトリー
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(掲載内容:企業名、住所、連絡先、製品、納入先など) |