2016年6月に英国で実施されたEUからの離脱の是非を争点とする国民投票で離脱派が多数を占めたことにより、英国はEUからの離脱に向けた手続きを進めることになりました。これにより、早ければ2019年に英国とEU間で従来の自由貿易ではなく、関税が発生する可能性が出てきています。そうなればトヨタ、日産、ホンダなど英国に生産拠点を展開する完成車メーカーやそれらに部品を供給する日系サプライヤーは欧州事業戦略の見直しを迫られることになります。そしてそれが、今後積極的に欧州事業を強化する方向に動くのか、もしくは従来と同等程度の関与に留まるのかを決定づける契機になると思われます。一方で近年、ドイツ系の自動車メーカーを中心にサプライヤーや研究機関、政府までも巻き込んで、技術の世界標準の獲得を戦略的に進める取り組みが目立っています。日本自動車産業が欧州自動車産業とのグローバルでのシェア争いを勝ち抜くためには、次世代環境車や安全運転技術、自動運転、コネクティッドなど先進技術分野でのグローバルデファクトスタンダードを、どれだけ多く獲得できるかがカギとなります。欧州勢の本拠地での競争を通じて得られる経験や知見がグローバルスタンダード獲得競争には必要で、そのためには今以上に日本自動車産業が欧州事業に関与すべきだとの考えも成り立つと思われます。
「英国EU離脱で問われる日本自動車産業の新欧州戦略」では、英国自動車工業会など現地の自動車関連有識者の意見やこれまでの日系完成車メーカーの欧州事業の経緯を元に今後の欧州事業戦略の展望を分析し、進むべき方向性を議論しました。さらに欧州で事業展開する日系乗用車メーカー7社の事業状況や課題を分析したほか、主要日系Tier1サプライヤーの欧州事業拠点の一覧と過去5年間の事業動向をまとめて収録しております。また英国の自動車生産や輸出入、生産拠点マップ、主要部品についての地域別輸出入金額統計を掲載。今後の欧州事業戦略を策定するために必要な情報を1冊にまとめております。
本案内を御高覧頂き、関係部署とも御相談の上、採用賜りますようお願い申し上げます。
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![]() 第1章 |
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英国のEU離脱を契機とした日本自動車メーカーの欧州事業の方向性
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◇日本自動車メーカーの欧州事業の方向性
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![]() 第2章 |
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自動車メーカー各社の欧州事業の現状・課題とEU離脱後の戦略
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◇日産の事業の現状・課題とEU離脱後の戦略(販売、生産、財務、製品)
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◇ホンダの事業の現状・課題とEU離脱後の戦略(販売、生産、財務、製品)
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◇スズキの事業の現状・課題とEU離脱後の戦略(販売、生産、財務、製品)
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◇マツダの事業の現状・課題とEU離脱後の戦略(販売、生産、財務、製品)
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◇富士重の事業の現状・課題とEU離脱後の戦略 (販売、生産、製品)
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◇三菱自の事業の現状・課題とEU離脱後の戦略(販売、生産、財務、製品)
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![]() 第3章 |
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自動車部品メーカー各社の欧州事業の現状
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◇主要日系Tier1サプライヤーの欧州事業の位置づけ(業績動向、主なM&A動向)
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![]() 第4章 |
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英国EU離脱の影響についての現地自動車関係者のインタビュー
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◇英国自工会/銀行/英国弁護士/ジェトロ
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![]() 第5章 |
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英国自動車関連統計
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◇完成車生産・輸出入統計(2011~2015年)
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