中国を軸に21世紀シェア世界一を目指す
VWグループ
VWグループは過去数年間で、トヨタ、GMと肩を並べる製販規模にまで目覚ましい発展を遂げました。2018年目標であった、世界販売1,000万台の規模を2014年に前倒しで達成できる勢いです。トヨタとは対照的にVWは米国で販売不振に陥り、ASEAN市場は未開拓の状態です。逆にVWのプレゼンスが大きい欧州、中国、ブラジルではトヨタのシェアは相対的に低く、両社が得意市場を棲み分けています。ただしVWは将来的なASEAN市場への本格参入の重要性を認識しており、2020年代に本格展開を図ると見られます。VWにとって高コスト構造のドイツを中心とする生産体制の維持が至上命題であります。生産・調達・開発コストにつながると期待される、MQB/MLBアーキテクチャを柱とするモジュール戦略は、ドイツ中心の操業体制を維持しつつ、収益拡大を目指すための切り札となります。
「ドイツVWグループの世界戦略」は、成長を続けるVWの競争力の分析に焦点を当てた調査報告書です。注目のモジュール戦略などの技術動向を解説し、さらに地域別の事業や製品計画におけるVWの強みと課題を明らかにします。自動車メーカー1社のみの分析に焦点を当てた調査報告書の発刊は、FOURINにとって初の試みとなりますが、VWとともに世界販売1,000万台の規模に到達しているトヨタ、GMとの比較という観点も交えた内容となります。
当案内をご高覧頂き、関係部署とも相談の上、ご採用賜りますようお願い申し上げます。
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![]() 第1章 |
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VWの経営戦略
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総論:バランス重視のグローバル戦略推進に向け、
求められる地域ニーズ重視の製品戦略への転換 2 |
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◇中国事業、グループの利益拡大に大きく貢献
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◇ 製品戦略、中国専用車充実もGolf/Polo/Passat中心のグローバル展開で
ラインアップはやや不足気味 5 |
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◇ モジュールアーキテクチャ、調達・生産・開発コスト低減につながる
収益強化のための戦略の中心 6 |
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◇ 製品技術戦略、環境車では全方位で展開、安全、通信の
各種機能充実による競争力強化も目指す 7 |
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◇ 生産、ドイツでの操業中心体制を維持しながら収益を
拡大させるために必要なモジュール戦略 7 |
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◇ 調達、MQB導入でサプライヤーへのコスト圧力強まる、
並注方針で日系サプライヤーにも取引のチャンス 8 |
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◇ 世界販売展開で過度に中国に依存、ASEAN攻略の前に
ブラジルシェア回復、米国販売強化が急務 9 |
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◇ VWグループ経営戦略、販売1,000万台目標を達成し、
バランス重視のグローバル展開による成長持続目指す 12 |
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◇
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◇ Audi、中国や米国を軸に販売を伸ばし、2018年200万台、
高級車シェア首位を目指す 21 |
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◇ Skoda、世界販売150万台目標に向け、中国での拡販を原動力に成長続く、
インド戦略見直しが課題 25 |
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◇ SEAT、黒字回復に向けMartorell工場稼働率向上と、
高収益性の製品への特化進める 27 |
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◇ Porsche、中国好調とSUV新モデル追加で
世界販売20万台目標を前倒しで達成へ 29 |
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◇ Bentley、SUV新モデル投入、グローバル展開加速で
2018年販売1.5万台を目指す 31 |
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◇ 商用車事業、VW、MAN、Scania3社の協業は
部品、購買、環境技術の分野に限定 32 |
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![]() 第2章 |
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VWのモジュール戦略
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◇Piëchのマルチブランド戦略と企業買収
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◇マルチブランド戦略と各ブランドの位置付け
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◇モジュラ-・アーキテクチャと製品開発
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◇4共通アーキテクチャでA00からEの量産車を開発
42 |
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◇MQBから60モデルを製品化する計画
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◇MQBとMLBで2016年500万台生産
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◇世界拠点でのMQB生産立ち上げ
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2. MQB事業:設計開発・部品・生産の標準化で
コスト削減しつつ商品力向上でグローバル展開 46 |
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◇2016年400万台生産構想のMQB導入
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◇標準化とモジュール部品のMQB設計思想
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◇標準化でモジュール部品のコストを削減、付加価値のレベリングで差別化
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◇パワートレインのバリエーション
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◇燃費向上目的に車両を80~100g軽量化
54 |
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◇安全・インフォの充実で大衆車の競争力を強化
58 |
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◇生産標準化でドイツのシステムを世界拠点に展開
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◇EV・プラグイン展開を視野に入れたモジュール戦略
62 |
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![]() 第3章 |
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VWの製品技術戦略 65 |
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1. パワートレイン戦略:
ダウンサイズ内燃エンジンの競争力優位を背景に電動化技術で攻勢へ 66 |
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◇エンジン統合とファミリー展開
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◇エンジンダウンサイズが進展
69 |
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◇モジュラー設計とファミリーエンジン展開
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◇ディーゼルエンジンの技術革新推進
73 |
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◇次世代フラグシップの電動チャージャーディーゼルを開発
74 |
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◇MQBエンジンを中国、メキシコを始め世界で生産
76 |
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3. トランスミッション:
中国・米国の世界戦略と次世代燃費技術をDCTに賭ける 80 |
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◇DCTの開発と技術進化を推進
81 |
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◇ZF、アイシンAWからAT調達
82 |
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◇生産はドイツKassel、チェコ、中国に集中
82 |
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4. 安全運転技術:機能搭載を下位モデルへと拡充、
渋滞時の自動運転支援技術の実用化に目処 86 |
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5. インフォテイメントシステム:
Googleマップ対応の先進ナビ、ネット接続技術の搭載を拡大 90 |
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◇Audiはネット接続システムで先行
92 |
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◇ スマートフォンとの連動強化、V2V技術対応や自動運転技術向け
ナビゲーション開発も推進 92 |
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6. 軽量化:MQB、上位モデルからエントリー製品に至るまで、
燃費低減につながる軽量化を重視 95 |
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7. 電動車/代替燃料車:
自社開発を重視し、将来的な需要拡大に向け取り組みを強化 98 |
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◇電動車部品でも内製を重視
100 |
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◇PHEVのラインアップを拡充、天然ガス車も製品化
102 |
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![]() 第4章 |
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VWの生産・調達・開発体制
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◇グループ乗用車生産台数は2018年に約1,100万台まで拡大へ
111 |
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◇中国専用モデルの生産が拡大
116 |
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◇MQBベース車生産が数年内に400万~500万台規模まで拡大へ
117 |
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◇トヨタ、GMとともに生産1,000万台到達へ
117 |
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◇ 中国や米州で生産能力を増強、2018年までにグループで
計1,300万台の能力を確保へ 118 |
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◇ 世界約20ヵ国で100以上の工場を操業、
世界生産に占めるアジア比率が拡大 123 |
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◇ 人件費の高いドイツでGolfより上位の車種を生産、
低価格車やニッチ製品の生産を周辺国などに分散 124 |
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◇エンジン、変速機に加え、シートやシャシ部品の内製を維持
125 |
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◇ガソリンエンジンダウンサイジングが進展
142 |
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◇ 2020年MQB車生産500万、MLB車160万台まで拡大へ、
独Wolfburg工場では2014年にMQB車生産で支障 144 |
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2. 調達体制:モジュール戦略でメガサプライヤー有利も
デュアルソーシングで受注獲得のチャンス有り 148 |
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◇北米:産モデル追加、Audi工場サプライヤーパーク整備に伴い現地調達拡大
152 |
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◇南米:ブラジルで9割近くの現地部品調達率を確保
152 |
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◇ロシア:エンジン現地化により現調率引き上げへ
152 |
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◇インド:現調率9割への引き上げが目標
153 |
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◇ 中国:製販規模の急激な拡大とともに現地部品調達額も増大、
MQBベース車でも現地調達を重視 153 |
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◇モジュール戦略でメガサプライヤー有利か?
156 |
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◇日系にも部品受注獲得のチャンス
160 |
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3. 開発体制:VW/Audiのドイツ拠点を中心に技術開発推進、
世界各国で計4万人以上がR&Dに従事 164 |
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![]() 第5章 |
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VWの販売展開
171 |
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総論.販売:2014年1,000万台実現の次のステップとして、
中国以外でのさらなるプレゼンス強化目指す 172 |
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◇ VW乗用車660万台目標に向け、問われるブラジル、
米国での販売回復、Audiは200万台目標早期実現へ 173 |
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◇ トヨタ、GMと世界販売で肩を並べるまでに成長、
2014年1,000万台超えが確実 175 |
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◇ VW商用車、MAN、Scaniaとも西欧中心に展開、
グローバル拡販に向けた協業の進展は見られず 184 |
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◇グループ世界販売に占める新興国比率が2012年に過半数に到達
186 |
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◇ BRICsで販売トップ、求められるブラジルでのシェア回復、
インド販売テコ入れ 187 |
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◇欧州では高位安定、米国での製品力強化が課題
190 |
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192 |
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◇販売台数は350万台前後で推移、シェアは続伸
194 |
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◇低燃費モデルを設定、カンパニーカー市場でも強み
195 |
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◇ セグメントシェア2割弱を占めるup!とその姉妹車や、
安全機能装備充実でB以下のモデルの販売が増加 197 |
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2. ブラジル:3強の一角を占め欧州外では中国に次ぐ成功収めるも、
近年低下続くシェア回復に向けた戦略の練り直しが必要 216 |
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3. ロシア:2018年グループ販売50万台目標実現と、
国産車優遇策対応で事業投資を継続 224 |
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4. 中国:乗用車シェア首位維持目指し製販体制強化を継続、
2018年生産能力400万台、2020年以降500万台超を計画 230 |
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◇2018年製販400万台先を見据え、中国で生産能力増強を推進
234 |
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◇中国テイスト重視の大衆セダンを低コストで複数製品化し成功
236 |
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◇中国向けPHEVの量産を計画
237 |
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◇輸入販売台数は2013年に20万台超える
239 |
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5. インド/ASEAN:販売低迷続くインドで事業戦略の再構築が必要、
ASEANでは2020年代に事業展開を加速へ 240 |
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6. アフリカ・中近東:南アとトルコで高シェア確保、
将来的な地域でのプレゼンス拡大を目指す 244 |
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7. 北米:2018年米国販売100万台目指すもVW車が苦戦、
製品計画やブランド戦略の見直し迫られる 248 |
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◇VWが不振な一方でAudiの好調続く
250 |
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◇JettaやPassatでDE搭載を設定
251 |
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8. 日本:製品技術力の訴求強化で拡販維持、
2018年販売11万台目標 256 |
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![]() 付録 |
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付録CDデータ
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◆収録内容:VWグループと取引実績のあるサプライヤーのリスト
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・ ZB 2014参加の主要部品サプライヤーと最新モデル向け納入実績のある 主要サプライヤーの一覧 |
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・ VW Group Award受賞サプライヤー(2012~2014年) |