商用車でも進む自動化・電動化・コネクティッド化
世界商用車業界は新たな変革期を迎えようとしています。世界の中・大型商用車市場は、大部分の先進国において規模の縮小又は現状維持が見込まれる中、量的成長は中国、インドや南米など新興国に期待することになります。ただ新興国の中で市場規模の大きい中国とインドでは、先進国メーカーが強みを持つ耐久性などの品質、手厚いアフターサービス、低燃費や安全などの先進技術よりもコストが重視され、コスト競争力のある東風汽車やTata Motorsなど現地系商用車メーカーが市場を寡占しています。ただ政府の強力な後押しにより、中国メーカーを中心に今後これらの新興国メーカーは先行を許す製品力や品質を引き上げてくることは必至であり、先進国メーカーは技術やサービス、品質面でも、新興国メーカーと競争しなければならなくなります。
一方で、先進国の商用車業界の経営環境を見てみると、電子商取引の急激な拡大に伴い、多頻度の小口配送の需要が高まっているほか、輸送業界の人手不足、世界各地で燃費規制が強化され、電動化へのニーズが高まっています。先進国の商用車メーカーは新興国メーカーの追い上げに対応し、自動化・電動化・コネクティッド化技術を通じた製品力の強化に取り組みますが、自動化・電動化・コネクティッド化全てに取り組むための投資負担は大きく、乗用車メーカーと比較して販売規模の小さい商用車メーカーにとっては、開発の効率化が課題となっています。直近ではVWとNavistarの資本業務提携締結、VWと日野の包括的業務提携の検討、VWとFordの商用車事業での協業検討など、VWを中心に新たな提携関係構築の動きが活発となっています。
「世界商用車メーカー年鑑2018」は、主要商用車メーカー各社のACEに関する取り組みやコスト低減及び効率化に向けた提携動向に焦点を当てながら、グローバルな製品・生産・販売・アフターサービス戦略など、幅広いテーマで最新動向の取りまとめや分析を行っております。
当案内書をご高覧の上、世界の商用車産業の現状理解や課題分析に最適な資料として、関係部署ともご相談頂き、採用を検討賜りますようお願い申し上げます。
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![]() 第1章 |
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世界商用車メーカーの競争環境 |
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2. 世界商用車メーカーの生産・販売実績 |
◇米州 | : | Daimlerグループの米国販売トップが続く |
◇欧州 | : | 主要3ヵ国はフランス・ドイツが拡大、英国は縮小 |
◇中国 | : | 過積載取り締まり強化でトラック増加 |
◇アジア | : | インド商用車市場は5年ぶりの高水準 |
3. 世界商用車メーカーの業績・経営戦略比較 |
◇経営戦略 | : | 先進国メーカーはACE技術の活用に注力、中印系は自国とその他新興国での成長チャンスの確保狙う |
◇製品戦略 | : | 中国系はNEVのラインアップ強化、日米欧系はEVの拡充に着手 |
◇生産・調達戦略 | : | VWがグループ形成を通じた調達規模の拡大による調達コスト削減の取り組みを活発化 |
◇研究・開発戦略 | : | ACE等先進技術の開発機能強化 |
◇販売・サービス戦略 | : | 予防整備や運行管理など高速通信技術を活用したテレマティクスの高付加価値化が進展 |
◇提携戦略 | : | VWが規模の確保と効率化に向け提携拡大に取り組む |
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![]() 第2章 |
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米国商用車メーカー |
Navistar | : | 米国トラック・バスメーカー、2017年度に6期ぶりに黒字転換 |
PACCAR | : | 米国トラックメーカー、欧米を中心にトラック・補修部品事業拡大 |
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米国メーカーの小型商用車事業 | : | 北米は需要増に伴い生産拡大、貨物輸送などで活用可能なコネクテッド機能拡充へ |
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![]() 第3章 |
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欧州商用車メーカー
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MAN | : | VW傘下ドイツ商用車メーカー、CASE対応の投資を積極化 |
Iveco | : | イタリア商用車メーカー、天然ガス車のラインナップ強化でプレゼンス拡大を狙う |
AB Volvo | : | スウェーデン商用車メーカー、BEVトラック投入で競争力強化図る |
Scania | : | VW傘下中・大型高級商用車メーカー、CASEに注力 |
欧州メーカーの小型商用車事業 | : | PSAのOpel買収契機に提携関係の再編が進む見通し |
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![]() 第4章 |
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日本商用車メーカー
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いすゞ | : | 国内中・大型商用車大手、新興国中心に生産体制強化 |
三菱ふそう | : | Daimlerグループの新興国戦略と電動化戦略を担う商用車メーカー |
日野 | : | トヨタ傘下の商用車メーカー、VWと協力関係構築でEV・自動運転技術を強化 |
UDトラックス | : | Volvoグループの商用車メーカー、新興国が事業拡大の鍵 |
日本メーカーの小型商用車事業 | : | トヨタと日産が商品ラインを強化、電動化や自動運転技術の採用が今後積極化する見込み |
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![]() 第5章 |
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アジア商用車メーカー
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現代自グループ | : | 韓国最大手、2020年に中・大型商用車販売23万台を達成し世界トップ5を目指す |
東風汽車 | : | 中国最大手中・大型商用車メーカー、KD組立工場を整備し海外事業を拡大 |
北汽集団 | : | 中国No.2中・大型商用車メーカー、2018年売上高1,341億元突破 |
中国長安 | : | 中国商用車大手メーカー、EV化とインテリジェント化に取り組む |
中国一汽 | : | 中国大手中・大型商用車メーカー、スマート商用車戦略を推進 |
上汽集団 | : | Ivecoと合弁でトラックを生産、再編と資本増強により商用車事業を強化 |
中国重汽 | : | 中国重型トラックメーカー、2018年に世界販売33万台を目指す |
江淮汽車 | : | 中国中堅商用車メーカー、VWと商用車の研究開発で提携 |
陜汽集団 | : | 中国重型商用車メーカー、2017年販売は前年比62.1%増の18.8万台と好調 |
力帆集団 | : | フルラインのトラック製品を展開する民族系商用車メーカー |
慶鈴汽車 | : | いすゞの中国商用車パートナー、総合的自動車グループを目指す |
華晨汽車 | : | 中国軽型商用車メーカー、2020年までの商用車製販60万台達成を目標に設定 |
華菱汽車 | : | 中国中堅重型トラックメーカー、製販が2年連続で回復 |
北奔重汽 | : | 中国重型トラックメーカー、2017年販売は1.4万台で2年連続増加 |
宇通客車 | : | 中国バス専業トップ、2018年は売上高340億元を目指す |
金龍汽車 | : | 中国大手バスメーカー、百度との提携で自動運転バスを開発 |
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その他中国商用車メーカー | : | 新エネルギー車の開発・投入が活発、輸出事業強化とサービス向上に注力 |
Tata Motors | : | インド最大手、主力トラックの新型Ultraでインドシェア首位固めへ |
Mahindra & Mahindra | : | インド商用車2位、中型トラック市場参入で商用車フルライン体制へ |
Ashok Layland | : | インド2位中・大型商用車メーカー、排ガス規制対応で日野と提携 |