2023年にBEV/PHEV市場は1,200万台超、中国/西欧が先行
世界45ヵ国におけるBEV/PHEV乗用車(SUV等含む)市場は、2023年に前年比34.6%増の1,244.0万台と拡大基調を維持。伸び幅は2021年(同2.1倍)、2022年(同52.2%増)から鈍化したものの、市場規模は初めて1,200万台を超えました。1政府政策・規制と、2アーリーアダプター(早期導入者)という2つの大きな要素が、市場拡大を下支えする構図となっています。
一方で、市場の伸び率の鈍化傾向を危惧する声も出ています。予算枠の確保などの面から、市場拡大を下支えしてきた購入補助金の減額・廃止が欧州市場で目立ち始めています。補助金を廃止したドイツ市場では既にマイナス影響が表れています。また米国では、これまでの市場のけん引要因であったアーリーアダプターが一巡したとの観測もあり、BEV/PHEV市場の伸び率が大きく鈍化しています。2024年上期(1∼6月)の米国BEV市場は前年同期実績を下回りました。
市場を取り巻く環境としては、EV充電インフラの整備状況に加え、バッテリーの原材料調達やリサイクルなどが課題に浮上するなど、先行き不透明感は依然としてありますが、明るい要素もあります。2024年以降は、欧州でBEV廉価車(約2.5万ユーロ)の投入が相次ぎ予定されています。BEV廉価車がゲームチェンジャーになるとの声もあり、市場の伸び幅が再び大幅な拡大基調となるか、注目が集まっています。
本調査報告書「世界電動車販売・EV充電インフラ年鑑2024」は、世界40ヵ国以上の電動車市場の現状、EV充電インフラ網の整備状況を解説しています。また世界主要国の電動車市場を取り巻く状況と、各国政府の各種規制から、将来の方向性を展望しています。当案内をご高覧のうえ、関係部署ともご相談いただき、ご採用賜りますようお願い申し上げます。