世界市場は中国とアフリカの需要後退で2年連続縮小、2024年はインド牽引で増加へ
FOURINが世界111ヵ国を対象に独自集計した2023年二輪車販売台数(アフリカ各国及びアジアなどの一部の国は中国やインドなどからの二輪車輸出台数または各種報道や経済情勢などから推測した数値を含む)は、前年比178万台(同3.2%)減の5,310万台となり、2年連続の前年割れとなりました。
世界の二輪車販売は、2020年にCOVID-19感染拡大によって都市部のロックダウンやサプライチェーンの混乱によって4,737万台まで落ち込みました。その後、パーソナルモビリティ及びデリバリー用途の需要が急増したほか、中国の電動自転車/二輪車の新規格導入による大規模更新需要が発生したことから、2021年に前年比920万台(同19.4%)増の5,658万台へと急増しました。しかし、2022年はロシアによるウクライナ侵攻で資源や食糧などの価格が高騰したほか、欧米がインフレ対応で金利を急速に引き上げたことから、アフリカやアジアなどの一部の新興国で通貨安・インフレ・金利上昇で経済状況が悪化し、マリ、ガーナ、エチオピアがデフォルトに陥りました。こうした状況に加え、中国の大規模更新需要もピークの2021年を境に急減し、世界二輪車販売は2022年から2023年にかけて2年連続の減少となっています。但し、2023年は中国二輪車商会が発表している雅迪科技の2023年出荷台数が222万台、雅迪科技の年次報告書に記載されている2023年販売台数が496万台で、270万台以上差があることから今後上方修正される可能性があります。
2024年は、世界最大の二輪車市場国であるインドだけで前年比で260万台近く増える可能性があるほか、アフリカ主要国の需要も回復に転じていることから、世界二輪車販売は前年比319万台(同6.0%)増の5,629万台へ回復することが予想されます。
フォーインは、毎年、世界の二輪車販売・生産・輸出動向を統計ベースでまとめた「世界二輪車統計年刊」を発刊しております。2024年版では、2019年から2023年までの二輪車販売・生産・輸出台数実績を掲載するとともに、直近の動向などを踏まえて2024年の販売・生産・輸出台数の予測も掲載しております。また、グローバル事業展開を強化している中国及びインドの主要二輪車メーカーの最新動向についてもとりまとめ、両国のグローバル生産拠点としてのさらなる成長についても報告しております。
本書が二輪車事業に携わる企業の方々や二輪車分野への参入を検討されている企業の方々にご利用いただければ幸甚です。