進む技術開発とイノベーション
中国では自動車の電動化と並行してスマート化・自動化も急速に進展しました。自動車市場が成熟するにつれて消費者のニーズが多様化し、快適性や利便性に対する消費者の目が肥えてきたため、続々と新しい機能がデジタルコックピットに集約されています。電動化の進展につれてベンチャー企業が多く登場し、イノベーションが生まれ易い環境と、新技術を受け入れる中国の消費者層が相まって、デジタルコックピット市場は勢いを増して拡大を続けています。また、デジタルコックピットに関する世界の特許出願件数は中国が最多で、中国企業のデジタルコックピット関連動向は世界的に見ても注目されています。
近年のEV 市場の急拡大はデジタルコックピットの進化によって便利な機能が増えたことも影響しています。
2022 年末をもって現行のNEV 購入補助金は終了するため、消費者のEV 購入意欲の低下につながりかねないことから、今後EV の販売を左右するカギとしてのデジタルコックピットの重要性が一層増すことが予想されます。2022 年8 月開催インドネシアモーターショーや同年10 月開催のパリモーターショーでは中国OEM がEV を多数出展するなど、中国OEM はEV を突破口として海外市場に積極的に進出しています。それに伴いデジタルコックピット関連の技術・サプライヤーが本格的に海外展開する可能性も高まっています。
日本自動車産業にとって、EV・スマート化分野における中国の発展は脅威となる一方、変革から示唆が得られる機会とも言えるでしょう。日中企業連携のチャンスも広がっています。
本調査報告書ではADAS・自動運転を除いたデジタルコックピットのスマート化機能に焦点を当て、部品別に技術的トレンドを分析し、解説しています。OEM メーカーに関するレポートでは中国系をメインに提携関係や実車搭載状況を詳報いたします。
図や写真等を活用して内装や機能を直観的に把握できるような誌面となっております。Sensetime や京東方(BOE) 等、デジタルコックピットには欠かせない中国系部品サプライヤーやContinental やFaurecia 等グローバル部品メーカーの中国事業も取りあげています。また、巻末には付録として、中国市場で販売中の国産乗用車モデルのデジタルコックピット機能搭載状況表を収録しております。
当案内をご高覧のうえ、関係部署ともご相談いただき、ご採用賜りますようお願い申し上げます。
注) 本調査報告書はADAS・自動運転機能に関する内容は掲載いたしませんのでご注意ください。