世界自動車市場(92ヵ国・地域)は、コロナ禍で低迷した2020~2022年実績の8,000万台前後から、過去最高の2017年水準(9,664万台)に向けた回復基調にあります。FOURIN試算では、2025年は前年比5.8%増(430万台増)の9,411万台となり、コロナ禍前の2019年水準(9,202万台)を上回っています。2026年は前年比微増の9,439万台に留まり、2027年に9,500万台超、2028~2029年頃に過去最高を更新すると予測しています(2025年12月時点)。
2025年の自動車市場の伸びは、最大市場の中国(前年比で300万台弱の増加)が全体を底上げする形となりました。中国以外では、米国、インド、アルゼンチン、日本、スペイン、トルコなどで増えていますが、2017年実績と比べると減少している国が多く、実質的に市場が拡大しているのはインドとトルコなど一部に限られています。中国については、冷え込む国内経済に対し、政府が実施した自動車の買い替え支援策などが市場規模を下支えしている現状があり、実態経済と見合っていないとの見方もあります。中国の販売動向が世界全体の市場規模に大きな影響を与えることになるため、2026年も買い替え支援策などによる需要の底上げが図られるか、などに注目していく必要があります。
世界の自動車産業を取り巻く環境は、2025年1月の米国トランプ政権発足で大きく変わりました。米国が世界各国に対して賦課した追加関税、環境規制の見直しが特に大きな変化と言えます。更に米中対立の悪化で、サプライチェーンの再編が急速に進む結果となりました。2026年も同様の傾向が続く他、日本自動車産業にとっては2025年11月に急転換した日中関係の悪化が懸念材料に浮上しています。日中関係が改善の兆しを見せない場合、世界的なサプライチェーンの混乱を含め産業界全体にとって大きなマイナス要因となる可能性も十分にあると考えられます。
『世界自動車統計年刊2026』は、世界80ヵ国以上の国の生産・販売・輸出等基礎統計と自動車政策、経済状況を取りまとめ、国別に2025年の自動車市場や生産の状況を解説し、将来の展望を報告。また世界主要地域・国の電動車販売台数を中心に関連統計を整理し解説します。
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