環境対応で強調し商品販売と物流・人流サービスを競う時代へ
世界の商用車市場は、2024年に中・大型商用車が約313万台、小型商用車が1,256万台強の合計1,600万台弱となり、2023年とほぼ同水準ながら微減となりました。北米、西欧、中・南米市場はパンデミックによる停滞からの回復過程にありますが、最大市場である中国が内需一巡と景気低迷の影響で二桁近い減少となり世界市場を押し下げました。
新興国の商用車需要は経済発展に伴うインフラ整備需要で増勢を続けるものの、インフラ整備の一巡とともに物流量は安定化。デジタル技術の活用が積載率向上、輸送効率の向上をもたらすことから、商用車需要は安定・縮小均衡する見通しです。先進国では商用車需要が水準低下した後は大幅な伸びは期待できないとはいえ、経済活動を支える物流総量が極端に減ることもないので、着実な代替需要、メンテナンス需要を中心に安定推移が見込まれています。
FOURINでは、2014年の創刊以来、『世界商用車メーカー年鑑』を世界の商用車産業に特化した数少ない産業調査報告書として隔年毎に発刊して参りました。今回の2025年版では、パンデミック、半導体不足、地域紛争の影響で落ち込む一方で、経済回復とともに着実な拡大を進める商用車産業が、世界的に厳しくなる一方の排ガス規制、ZEV販売義務化目標の前で、どこに新しい発展方向を見出そうとしているのか、製品計画、パワートレイン計画はもとより、ZEV化や物流サービスの効率向上にどのように取り組んでいるのかを中心に報告・分析しております。
『世界商用車メーカー年鑑 2025』を、産業基礎データの収集・整理に、世界商用車メーカーの定点観測に、商用車関連部品・材料・関連事業計画の策定にご活用ください。