カーボンニュートラルやデジタル化への変革と、競争環境変化への対応
自動車業界はコロナ禍の苦境を乗り越えつつあった矢先に、ロシアのウクライナ侵攻による影響で、コスト、エネルギーや資源確保において大きな課題に直面しています。急速なBEV化に向け大規模な投資を進めているグローバル自動車メーカー、特に欧州系は、BEV需要の⼀服、BEV新興メーカーの台頭、バッテリー技術・供給の課題、地政学的緊張によるインフレ、従来からの高コスト体質と過剰な生産能力からの弊害など、複合的な要因が重なり、苦しい状況が続いています。一方で長期的にはBEV中心でバリューチェーン全体でのカーボンニュートラル(CN)化を目指す方針は概ね変わりません。各社とも当面は内燃機関と電動車技術を併用しながらの製品展開を維持する考えで、HEV技術が強い日本勢の優位性がしばらく続く可能性があります。
バッテリーコストが高いBEVが増えることにより収益への影響が懸念される一方、クルマをSDV (ソフトウェアデイファインドビークル)化することで本格展開できるデジタルサービス(OTAによる各種機能の車載システムへの取り込み、Eドライブなど車両ハードウェア技術のバージョンアップ、自動運転機能の追加など)拡大による収益貢献が期待されています。主要自動車各社とも概ね、SDVへのシフトに向けた開発体制の整備、ソフトウェアディファインドの次世代BEVアーキテクチャの開発を進めていますが、開発の遅れが目立ちます。
FOURINは、主要乗用車メーカー各社の企業情報、経営動向や成長戦略を分析する『FOURIN世界乗用車メーカー年鑑 2025』を2024年12月に発刊する計画です。本報告書では、欧州、北米、アジアの主要なグローバル自動車メーカー・グループ計22社を取り上げます。各社の業績、組織体制、製品計画、⽣産、調達、R&D、販売、地域戦略、提携などの各種動向を解説しつつ、事業再編、CN化、SDV開発を含む中長期の方向性も分析します。本案内書をご高覧頂き、関係部署ともご相談の上、ご採用賜りますようお願い申し上げます。
グループ・メーカー1社ごとに、事業概要・財務、経営方針、組織体制、カーボンニュートラル、製品、生産、部品・調達、研究・開発、販売、地域戦略、提携、 についての計画や最新動向をまとめます