グローバル乗用車市場のラストフロンティア
2005年に110万台あまりであったインド乗用⾞市場は、20年の間に4倍以上に成⻑し、2025年に450万台弱となりました。この間にインドの主流⾞種はAセグメントやBセグメントの廉価で実⽤的な⼩型エントリーモデルから、SUVのような存在感のあるデザインで嗜好性が⾼く⾼価なモデルへ転換しました。⾞両価格帯別のボリュームゾーンも1台当たり60万∼100万ルピーから、100万∼150万ルピーに上⽅移⾏し、直近は150万ルピー以上のモデルの販売も増えています。ただし現状の新⾞の買い⼿は、フォーマルセクターと⾔われる収⼊が安定している公務員や組織化された⺠間企業の従業員、専⾨職などの⼈々で、労働⼈⼝の1割程度と⾔われています。残りの9割は農業従事者や⾮正規労働者などが占め、⽣活の⾜は⼆輪⾞や中古乗⽤⾞です。社会階層の問題、法制度の問題、政府の財政基盤の弱さなどから、これら9割の⼈々の所得⽔準の上昇スピードはフォーマルセクターの⼈々よりも緩慢ですが、何かのきっかけで、加速する可能性も⼗分に考えられます。
「インド乗用車市場分析と2035年展望」は、2部構成の前半部分で、これまでのインド乗用⾞市場の成⻑の軌跡を、セグメント別、パワーユニット別、価格帯別、ブランド別など多⾓的なデータで読み解き、成⻑要因と減速要因を経済的、政策的な切り⼝で分析しています。さらにインド乗⽤⾞市場の主要⾃動⾞メーカー6社(Maruti Suzuki/Mahindra/Tata Motors/現代⾃/トヨタ/起亜)の事業戦略を解説しました。
後半部分では、乗用⾞市場全体の台数を2025年まで3つのシナリオ(中庸/楽観/悲観)で予測。新⾞購⼊の潜在的な中⻑期予備軍であるインフォーマルセクターの⼈々について所得上昇ペースの加速要因と可能性についても考察しています。さらに⾞種別(SUV/セダン・ハッチバック/MPV/バン)に加えて、パワーユニット別(GE・FFV/CNG/DE/HEV/BEV)について、2035年までの⽐率推移も予測しました。インドの乗⽤⾞産業に携わる皆様と新たに参⼊を検討されている皆様に、最適な1冊です。