調査報告書:世界
マルチクライアント調査
世界主要完成⾞メーカーのxEVバッテリー戦略 2024
発 行 |
■ 2024年08月01日 |
体 裁 |
■ A4判、210頁 簡易カラー
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価格 |
■ 495,000円(税込)
※国内送料込
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特別価格 |
PDF+報告会: ■ 825,000円(税込)
※特別価格でお申し込みの場合は 備考欄へ記載をお願い致します。
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世界主要OEMのxEV戦略見直しとバッテリー内外製戦略の再構築
- BEVを軸に需要拡⼤が進む⾞載駆動⽤バッテリーの動向を分析し、報告
- ⾞載駆動⽤バッテリーメーカー各社の事業戦略・計画について詳報
- 主要地域別バッテリー関連政策及び事業動向を詳報
- 主要完成⾞メーカー各社の電動化計画とバッテリーメーカー別調達・提携動向などを詳報
- 2035年までのバッテリー素材・種類別マーケットを展望
世界自動車産業における電動化(主にBEV)は2023年に入り、成長の勢いが鈍化しております。2020~2022年において平均成長率(CAGR)は50%水準となっていましたが、2023年に入り20%程度に減速しました。さらに2024年に入り15%程度となる見通しで、電動化市場、特にBEVの成長は年々伸びるとはいえ、その伸び幅は、一定の水準で落ち着く可能性が高いとみております。
主要自動車メーカー(OEM)は世界的なBEVの成長鈍化を受けて、当初計画していたBEVの製販台数目標の達成が難しくなり、計画見直しとの動きが増えております。早くからBEVシフトを示していたVW Gr.、GM、FordなどはBEV計画を見直しており、2026年以降のBEV販売目標についても修正または撤回しています。こうしたことを受けて、OEMの中では、「短期」と「中長期」と時期を分けながら戦略を見直すメーカーが増えております。なかでもBEVについては、中長期計画においてコスト・サプライチェーンを含む計画全般を2030年を前後にして調整、短期的にはエンジンを伴った対応を進めていくやり方を鮮明にしております。
BEVの減速は、各OEMがこれまで推進してきたxEVバッテリーの内外製戦略そのものにも影響を及ぼしています。2020~2022年において世界自動車産業では、OEMとバッテリーメーカーのJVを含む多数の提携が浮上しました。また、米国IRA規制や欧州CBAMやバッテリーパスポートといった規制の厳格化もこうしたOEMとバッテリーメーカーの連携を促しました。しかし2023年半ば以降、そういった動きは減り、推進中の計画についても見直す動きが出ております。また、バッテリーメーカーにおいても、一部のメーカーではバッテリーの量産化の遅延または計画修正等が発生しており、OEMやバッテリーメーカーにとっても、事業の見直しを強いられるといった動きも出てきております。それこそ、「先の見えない」状況が今後しばらく続くことが見込まれます。結果的に、OEMやバッテリーメーカーは現実的な事業方向性を探っており、収益性を確保できる体制づくりとサスティナブルな電動化対応といった重要な戦略の立て直しを求められています。
当調査報告書では、世界的な電動化の動きとともに注⽬が⾼まっている駆動⽤バッテリー分野について、世界の政府政策および⾃動⾞メーカー・サプライヤー(セル・部品など)の成⻑戦略・将来展望の取りまとめに加え、バッテリーを取り巻く世界的パワーバランス、投資、提携関係などあらゆる分野において調査・分析をいたします。特にBEVマーケット状況とこれによるOEMの電動化・バッテリー戦略の変化、材料需給状況とコスト変動の解明に注⼒しており、より現実的なバッテリー業界と電動化への実現可能性について分析しております。主要⾃動⾞メーカー及びバッテリーサプライヤーの動向確認、今後の電動化分野における予測・判断材料として、当報告書をご活⽤いただければ幸いです。
世界主要OEMのxEV戦略見直しとバッテリー内外製の現実路線追及
第1章
世界主要マーケットの環境規制とバッテリー関連規制
1-1.
欧州・米州・アジア主要国の環境規制、2035年に向けて政策側は厳格化を継続するも、産業・市場側とのギャップは埋まらず
1-2.
バッテリー関連政策:米国・欧州を中心に貿易規制等が厳格化、中国排除の動きは一段と鮮明だが、根本的なサプライチェーン改革は困難
第2章
主要完成車メーカーの中長期電動化戦略とバッテリー戦略
2-1.
主要完成車メーカーの車載バッテリー生産・調達戦略:バッテリー調達は第2ステージに突入、現実的な路線から内外製推進へ
2-2.
VWグループ:Northvolt生産の遅延、国軒高科とPowerCo活用でLiB調達の安定化を図る
2-3.
BMW:Northvolt生産遅延で調達契約を見直し、Samsung SDI主導の46シリーズ円筒形や角形CTPをNeue Klasseで導入
2-4.
Mercedes-Benz:ACCでのバッテリー生産計画が急制動、バッテリー内製化計画の再考と外注によるセルの安定調達を図る
2-5.
Stellantis:ACCによるセル調達計画の遅延、LGES、CATLなど既存大手サプライヤーの活用でセル内製化図る
2-6.
Renault:日産との出資比率調整後、独自のBEV戦略を本格化、全固体バッテリー以外の従来LiBについてはサプライチェーンを再設定
2-7.
GM:Ultium Cellsを軸にしたセル内製化を加速、Samsung SDIとの合弁で角形や円筒形セルの内製化も本格化
2-8.
Ford:BEV計画を全面修正、SK Onとのバッテリー合弁BlueOval SKも大幅縮小に
2-9.
Tesla:4680セルの量産進むも歩留まりは低水準、4680のセル外注をLGESやEVE Energy などに拡大へ
2-10.
トヨタ:マルチパスウェイ推進中もPEVEを完全子会社化、中長期的なBEV/PHEVへの対応を視野にバッテリー安定調達体制を構築へ
2-11.
ホンダ:LGESとの提携を通じてLiBを量産化、全固体バッテリーについては内製開発進めるが量産化のめど立たず
2-12.
日産/三菱自:AESCとの関係は手薄となる一方、ホンダを含む提携先を通じたバッテリー調達を検討へ
2-13.
Hyundai Gr.:BEVシフトに向け韓国バッテリー3社との連携を強化、全固体バッテリーについては内製化を推進中
2-14.
中国・新興BEVメーカー:中国系メーカーはLFP採用の動きが鮮明、新興BEVメーカーではパフォーマンス向け三元系セルの採用に二分
3-1.
バッテリー業界:業界主導権をめぐり中国系と韓国系の競争が本格化、欧州勢は量産等に苦戦、日系は事業戦略を見直しへ
3-2.
パナソニック/東芝/GS ユアサ:日系OEM対応を軸にした事業戦略を再推進、パナソニックは戦略修正へ
3-3.
LGES/SK On/Samsung SDI:ハイニッケル三元系を軸に事業強化、46XX円筒形、LFPの新規量産で多様なニーズにも対応
3-4.
CATL/BYD/Gotion/CALB/EVE他:LFPバッテリーの改善を継続、高級BEVへの対応に向けて三元系バッテリーの事業強化を図る
3-5.
その他バッテリーメーカー:新興メーカー乱入するもいずれも撤退、Northvoltを含めて量産化に課題は深刻で事業化は不透明
4-1.
バッテリー技術トレンドと展望:現実路線の中でLiBに対し再び注目、量産化で課題が残る固体バッテリーは中長期的技術に位置付け
4-2.
バッテリーパック技術:モジュール省略したCTPやCTC/CTB本格化、高級車ブランドを中心に依然としてモジュール式パック需要増加
4-3.
熱マネジメント:パフォーマンス向上に向け温調技術が注目、熱暴走/火災防止を含めてセル/パックの最適の温度管理が重要に
4-4.
クラッシュマネジメント:外部衝撃からのバッテリーパック保護、車体設計と組み付けることで安全性能を確保へ
4-5.
バッテリー筐体:軽量化対策でアルミや樹脂系提案が活発化、コストバランス・冷却・剛性確保等に向けマルチマテリアル筐体も増加
4-6.
バッテリー主要素材(正極材/負極材/電解質/セパレーター):性能面の向上に向けハイニッケル三元系やシリコン/リチウムメタルの採用拡大