2030年代製販1,000万台・世界2位の実現に向けた経営戦略の真相と実現性
韓国最大手の自動車メーカーである現代自動車グループ(HMG)は、2024年販売実績で723万台と、世界3位に上り詰めました。FOURINは2017年のHMG戦略報告書でHMGは世界3位入りを目指すと報告しましたが、その7年後に目標を実現しました。その後、発表されたHMG傘下の現代自(Hyundai)と起亜(Kia)のCEO
Investor Day 2025では、2030年の販売目標を両社が掲げており、その台数を合わせると974万台と1,000万台が視野に入ります。この数字が実現すれば、VWグループを抜き、トヨタに次ぐ世界第2位のメーカーになることを意味します。
しかし、世界第2位を目指すとしたHMGは、内外リスクと課題が山積しています。2017年時と比べて、製品や研究開発、事業分野等における主要領域で、イノベーションや変化が見受けられるものの、根本的な経営、人材・組織、戦略・企画、財務関連における課題は依然として残っています。なかでも、HMGが持つ人材・組織、戦略・企画部分については表面化していない問題が数多くあり、2030年代に1,000万台・世界第2位を視野に入れるメーカーとしてふさわしい体制なのかと首をかしげざるを得ません。この他にも、労組問題、韓国内外の政治環境等も、直説、間接を問わずグループの今後に多少の影響を及ぼす要因として取り上げることができます。
HMGは自動車業界で運が良い企業と言われています。大変な時期を巧みに乗り越え、危機を好転のチャンスと捉え、今までやってこられたという点では、もちろんすべてが運ではなく、その時代を読む力と決断力があったからこそ可能だったといっても過言ではありません。ただ、今後はその運以上に企業の実力で勝負する時を迎え、不確実な要素がたくさん存在する中で、グローバル企業に相応しい収益を生み出す成長戦略こそが鍵を握ります。その戦略実現には、技術・品質面でさらなるイノベーションが求められるとみられ、日本を含む世界中の自動車部品・材料メーカー、設備・機械・加工メーカーが新製品・技術提案、先進技術などを提供ながらHMGをサポートする機会もますます増えていくとみております。
本調査報告書では、HMGの次の10年を予測。経営・財務、組織体制、研究開発、サプライチェーン、提携といった主要分野を取り上げ、調査・分析しております。同時に、HMG関係者や自動車業界関係者へのヒアリング等を基にHMGの今後について考察しました。
本報告書がHMGと競合する日系自動車・部品メーカーのベンチマークや反面教師のヒント、そしてHMGとの取引拡大や新たな取引関係の構築を目指す業界関係者の方々においての予測・判断材料となりますことを願っております。自動車・部品メーカーを始めとする関連企業の皆様に当報告書をご活用いただければ幸いです。