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調査報告書:世界

マルチクライアント調査
電動車部品サプライチェーンと競合状況 シリーズ第2弾 インバーター
発 行

■ 2023年10月31日

体 裁

■ A4判、122頁 簡易カラー

価格

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電動車部品サプライチェーンと競合状況 シリーズ第2弾 インバーター

BEV制御と効率性の鍵となるインバーター競争

世界自動車産業の電動化が進展している一方で、車載バッテリーを含む主要材料価格は当初の予測と異なり上昇または高止まり状態が続いています。加えて、駆動モーター、インバーターなど主要構成部品のコストもまた、主要資源国による輸出規制に加え、材料不足やサプライチェーン問題、米国インフレ抑制法(IRA)や欧州タクソノミー等への対応の影響を受けて上昇しています。こうした中、BEVの生産コストを抑えながら効率性を含むパフォーマンスをいかに向上できるかが電動化競争のポイントになっています。各社はBEVの航続距離の延長を実現するため(もしくは、搭載電池容量を減らして製品コストを削減するため)に、車載バッテリー技術の改善、車体の軽量化とともに、eAxleの効率制御、車載機器全般のエネルギー効率に関わるインバーター技術の向上に取り組んでいます。なかでも、インバーターの心臓部にあたるパワーモジュールチップのSiからSiCへの切替を通じたバッテリーエネルギーの効率的運動エネルギーへの変換や熱マネジメントは重要な技術トレンドとなっていますし、「x-in-1」と称される、DC-DCコンバーター、車載充電器(OBC)、パワーディストリビューターコントローラー(PDU)、高圧リレー等をインバーターに統合・一体化する動きが鮮明になっています。こうした「X-in-1」化は今後、コモディティ化するeAxleの制御効率ならびに、体積のコンパクト化、かつ、BEV車体開発における設計の自由度の向上などに貢献するとされています。

本調査報告書では、xEVインバーター業界、そして関連構成部品業界を調査・分析し、部品分野ごとに全体像と主要キープレイヤーの把握、今後のトレンドの注目ポイントを取り上げています。業界関係者からのヒアリング等をもとに、業界の課題と今後の方向性などを詳報します。自動車及び部品サプライヤーなど、今後の電動化分野における予測・判断材料として、当報告書をご活用頂ければ幸いです。


総論
総 論
0-1.
総論:電動化をめぐる事業環境の変化、インバーターに集まる電動化の現実路線への期待
第1章
世界電動化予測とインバーター需要
1-1.
2035年インバーター需要予測:2035年に高圧化は2割強、引き続き400Vシステム残るが、SiCなどで効率化図る
1-2.
インバーターの主な技術トレンド:DC-DC等の統合によるX-in-1化や、急速充電向け800V化が鮮明に
第2章
主要インバーターサプライヤーのビジネス状況
2-1.
中国系はコスト競争力で先行、欧米日系は収益性を重視、完成車メーカーからの案件獲得に向け性能・品質面で競争が鮮明
2-2.
Bosch:インバーター含むパワーエレクトロニクスに注力、パワーモジュール用SiCの内製化に向け投資加速
2-3.
ZF:Eドライブで機電一体化と全方位対応を活発化、WolfspeedやSTMicroelectronicsとSiCパワー半導体で協力
2-4.
Vitesco Technologies:xEV制御技術に注力、EMR4ではSiC半導体搭載で800V対応
2-5.
Schaeffler:DHT、eAxle等の製品競争力の向上に向け、メカのみならずパワーエレクトロニクスの技術開発を加速
2-6.
Valeo:共通インバータープラットフォームを開発、SiCベースの400/800Vインバーターを2024年以降量産化
2-7.
BorgWarner:Delphi買収によるインバーター事業を強化、400/800V対応のx-in-1統合インバーターを拡充
2-8.
デンソー:THS用に加えBEV向けインバーターに注力、BEV向けでは自前開発SiC搭載のインバーターをLexusに供給
2-9.
三菱電機:三菱自のPHEV向けにインバーターを供給中、事業構造改革の下、インバーター分野の動きは不透明
2-10.
日立Astemo:ホンダ対応を軸に日米系OEM対応を強化、800V対応のSiCインバーターの内製を推進
2-11.
ニデック:eAxleのコンパクト化や低コスト化に注力、インバーター分野ではルネサスとX-in-1システムの開発を推進
2-12.
マレリ:日産e-POWER、Maserati BEVなどに400Vまたは800VのSi/SiC搭載インバーターを供給
2-13.
明電舎:MEIDEN e-Axle軸の機電一体化事業に注力、SiCインバーターで800Vニーズに対応
2-14.
Hyundai Mobis:Hyundai/Kia向け対応を軸に事業拡張、E-GMPからIMAへの変更に向けインバーター技術開発を推進
2-15.
LG Magna e—Powertrain:GMなど欧米系OEM対応を強化、インバーター需要対応に向けメキシコ、欧州拠点を追加
2-16.
その他インバーターサプライヤー:中国・台湾系は中国市場軸の事業拡大を加速、欧米系は商用車中心の対応が鮮明
第3章
主要パワー半導体・モジュールサプライヤーのビジネス状況
3-1.
パワー半導体・モジュール業界:SiC需要増に対する投資増、Wolfspeed、Infineon、ST等が200mmウェハー事業を強化
3-2.
Infineon Technologies:パワーモジュールシェアトップ、800V化対応およびSi/SiCハイブリッド需要対応への投資を強化
3-3.
STMicroelectronics:Teslaを軸にした車載SiC供給を拡大、SiC需要増への対応でイタリアで150mmウェハーファブを追加
3-4.
Wolfspeed:SiC分野最大手サプライヤー、SiC需要増への対応に向け200mmウェハーの能増投資を加速
3-5.
onsemi:米系大手車載半導体サプライヤー、ドイツBig3を軸にSiCパワー半導体事業での連携を強化
3-6.
ローム:半導体大手サプライヤー、電動化シフトの中、SiCを軸にしたパワー半導体の供給拡大を推進
3-7.
デンソー:トヨタ向けSiCを内製化、トヨタやBluE Nexus案件対応に向けSiC技術開発を加速
3-8.
ルネサス エレクトロニクス:パワー半導体分野に参画、2025年のSiCパワー半導体の量産に向けWolfspeedと提携
3-9.
富士電機:車載パワー半導体事業の拡大に向け投資を強化、2025年以降世界SiCパワー半導体シェア2割を目指す
3-10.
その他パワー半導体・モジュールサプライヤー:Si/SiC能力増強投資が鮮明、EMS分野もパワー半導体事業加速
第4章
主要平滑コンデンサーサプライヤーのビジネス状況
4-1.
平滑コンデンサー業界:村田製作所、三星電機等の大手並ぶ、MLCC分野を中心にTDKと京セラは売上拡大が鮮明に
4-2.
平滑コンデンサー業界:MLCCの製品投入や新規受注増加、TDK、京セラ、Samwha Capacitorなどが能増等の投資も推進
第5章
主要リアクトルサプライヤーのビジネス状況
5-1.
車載リアクトル業界:スミダとタムラ製作所がリード、韓国Sangshin Electronicsが車載向けに新規参入
5-2.
車載リアクトル業界:インバーターを含むパワエレに対応、タムラ製作所はルーマニアで充電器向けの生産投資を推進
第6章
主要DC-DCコンバーターサプライヤーのビジネス状況
6-1.
DC-DCコンバーター業界:日系のサプライヤーがリード、売上規模も含めてトヨタ系Tier1の存在感が目立つ
6-2.
主要DC-DCコンバーターサプライヤー:OBCを一体化する製品トレンドが進展、800V対応も重要視
第7章
主要ヒートシンクサプライヤーのビジネス状況
7-1.
ヒートシンクサプライヤー:日系はアルミ押出+切削加工、欧州系は鋳造+切削加工によるヒートシンクの製造技術を展開