半導体・バッテリー・AI・電⼒網が再編するK-Mobilityの産業構造
世界の自動車産業では、電動化、SDV化、自動運転、AI活用が同時に進み、競争力の源泉がエンジンや機械部品から、半導体、バッテリー、ソフトウェア、データ、電力へと広がっています。自動車は単独で機能する工業製品ではなく、通信ネットワーク、クラウド、AIデータセンター、充電設備、電力網と常時接続される電気・デジタルシステムへ変化しつつあります。また、BEVに加え、HEV、PHEV、FCEVなどを地域や用途に応じて展開するマルチパスウェイが広がる中、車両の電動・電子化と、それを支えるエネルギー・情報基盤の重要性は一段と高まっています。
こうした産業変革を国家規模で進めている国の一つが韓国です。韓国政府は2026年6月29日、3大メガプロジェクトを発表。半導体・AIデータセンター、フィジカルAIを国家戦略産業として育成するという構想を示しました。こうした戦略の下で、Samsung、LG、SKの主要企業グループが、半導体、バッテリー、ディスプレイ、車載電子、通信、AI、エネルギーなどの産業基盤を形成し、Hyundai Motor Group(HMG)がそれらを車両、SDV、自動運転、ロボット、充電・エネルギーサービスへ統合する構図が鮮明になっています。さらに、AIの普及に伴うデータセンターの電力需要増加、再生可能エネルギーの導入、ESS、HVDC、スマートグリッド、V2G、超急速充電などが、自動車産業と電力産業の境界を急速に変えています。自動車の競争力は、車両性能や生産能力だけでなく、半導体の供給力、AI処理能力、バッテリー・パワーエレクトロニクス技術、安定した電力網を含めた総合力によって決まる時代へ移行しています。
FOURINでは、こうした韓国産業の変化を「電気国家戦略」という視点から捉え、マルチクライアント報告書『Samsung・LG・SKがリードする韓国の電気国家戦略と自動車産業の変革』を発刊する計画です。本調査報告書では、Hyundai、Kia、GM Korea、Renault Korea、KG Mobilityなどの完成車メーカーに加え、Samsung、LG、SK、Hyundai Mobis、Hanon Systems、LS ELECTRIC、HD Hyundai Electric、SK Signet、Naver、KTなどを取り上げ、各社の事業戦略、技術開発、投資、提携、製品展開、財務動向を調査・分析します。
調査分野は、完成車・自動車部品、半導体・AI半導体、バッテリー、パワーエレクトロニクス、熱マネジメント、急速充電器、送配電・パワーグリッド、AI・通信・クラウド、SDV・自動運転までを対象とします。また、韓国で活動する自動車部品、半導体、急速充電器、AI関連企業の合計約1,000社を取り上げ、企業規模、事業領域、上場区分、財務状況、技術分野、産業間の重複、新規参入の状況を整理します。主要企業だけでなく、中堅・中小部品メーカーの電動・電子分野への転換や、異業種企業による自動車産業への参入も分析し、韓国の産業構造がどのように再編されているのかを明らかにします。
本調査報告書を通じて、Samsung、LG、SKが電気・電子・AIの産業基盤を構築し、HMGをはじめとする完成車メーカーがそれらを次世代モビリティへ統合する韓国型産業モデルの全体像を提示します。技術開発、商品企画、事業戦略、競合分析、調達、新規参入、提携先選定、投資判断など、2030~2035年に向けた自動車・モビリティ事業の予測・判断材料としてご活用いただければ幸いです。