地域全体に波及効果をもたらすモビリティを起点とした地方創生
世界の自動車市場は成長の鈍化が見込まれ、中国メーカーとの競争激化も予想されています。こうした環境の中で、自動車関連企業をはじめ多くの企業が、非自動車分野における新たな収益源の創出を重要な経営課題として位置づけています。特に近年は、地域活性化に貢献できる新規事業の探索に注目が集まっており、さまざまな業種の企業が参入機会を模索しています。さらに、高市内閣が推進する「地域未来戦略」と連動したプロジェクトの創出も期待されており、地域を舞台とした新たなビジネス機会が拡大しつつあります。
高市内閣は日本を再び「強く豊かな国」とすることを目指し、「日本成長戦略」と「地域未来戦略」の2つの政策を掲げています。地域資源や特色を活かした産業クラスター形成への大胆な投資を通じて、地方から日本経済の成長を牽引する新たなモデルの構築を目指しています。しかし、従来型の地方創生の延長では、十分な成果を生み出すことは難しいと指摘されています。これからの地方創生には、自治体首長による明確な政策ビジョンのもと、官民が連携して競争力のある地場産業を育成し、地域に持続的な活力と豊かさをもたらす取り組みが求められます。
本レポートでは、地方創生、スマートシティ、移動課題の解決に関する国内外の取り組みを整理・分析するとともに、モビリティを起点とした地域活性化の成功事例を紹介し、これからの地方創生の方向性を考察します。地域活性化を実現するためには、中核となる政策、関係者を巻き込みながら推進するリーダーシップ、そして参画企業の成長戦略が相互に連動し、大きな潮流を生み出すことが不可欠です。民間企業の新規事業担当者、地域金融機関、自治体の政策立案担当者の皆様にとって、地域を起点とした新たなビジネスモデル構築の戦略的指針としてご活用いただければ幸いです。