BEV強化と並行する乗用車HEVシフトと商用車FCEVシフト
中国政府は国家戦略としてBEVを中心とするNEV(PHEV、BEV、FCEV)の普及を推進してきました。ただ、脱炭素という国際潮流の中、中国の自動車業界は、クルマの使用段階で燃費=CO₂排出を評価する燃費規制やNEV規制から、Wellto Wheel(油田から車輪回転まで)や生産過程等のライフサイクルで評価するLCA(LifeCycleAssessment)に広げようとしています。2020年に中国NEV市場は100万台以上に成長したものの、HEV、MHEV(48V)等低燃費技術普及が遅れたことから、自動車OEMのNEVを除いた企業平均燃費の改善は進みませんでした。
中国の習近平国家主席は2020年9月、2060年までにカーボンニュートラルを目指すことを表明しました。その実現のため、中国政府は2025年にLCAを燃費規制に準じるものとして導入を検討。さらに、MHEV、HEVのCO₂低排出効果を改めて評価し、2035年に向けNEV、非NEVの低燃費技術を同時に推進し、CO₂排出の低減を図ろうとしています。ただそれ以降は、再生可能エネルギーの発電比率の上昇とともに、エンジン搭載比率の低下が予測され、2060年には約90%をBEVが占めると見込まれています。
当調査報告では2060年までの長期的な視点から、中国の自動車産業のパワートレイン構成のトレンドを分析し、中国の民族国有系、民族民間系、外資系のOEMパワートレイン戦略、電動化モデルのモータ・変速機・電池の調達関係、主要電動化サプライヤーの製品戦略等を整理しました。本書が日系企業の中国BEV戦略を策定する参考資料として、関係各位の業務発展の一助となりますことを心より祈念いたします。
当案内をご高覧のうえ、関係部署ともご相談いただき、貴社の事業戦略の策定にご活用いただければ幸甚です。
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![]() 第1章 |
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自動車ライフサイクルアセスメント規制の方向性
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NEV産業生産と技術ロードマップ、2035年NEV50%が目標とする一方、低燃費技術が再評価 | |
電動乗用車の生産能力、能増プロジェクトが相次ぎ始動、NEV専用工場の新設に注目 | |
次世代パワートレイン戦略、2035年までに48V、HEV、NEVを同時推進、2060年向け全量はBEVシフトへ |
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![]() 第2章 |
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主要自動車OEM開発動向とパワートレインサプライチェーン
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民族民間系OEMの電動化パワートレイン、BEV中心戦略、HEV専用エンジン・変速機の低燃費技術も強化 | |
外資系OEMの電動化パワートレイン、欧系は中系との提携によるBEV生産増で規制対応 |
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![]() 第3章 |
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主要パワートレイン・ユニットメーカーの開発動向と納入実績
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電池セル・パック、低価格・高安全性のLFPが搭載増加、中国系電池メーカー海外工場の建設が急増 | |
主要燃料電池システム・スタックメーカー、商用車を中心に産業育成策を受け、技術開発が加速 |
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![]() 第4章 |
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パワートレイン関連法規制動向 |
NEV規制、低燃費車基準を設定、HEVによりNEVクレジットの獲得義務を軽減 | |
CAFC/NEVクレジット実績、燃費悪化傾向強まる、管理制度改正でクレジット価格値上がりの公算大 | |
HEV関連政策:環境規制の厳格化、及び低燃費乗用車優遇でHEV市場の拡大に寄与 | |
FCEV政策:地方政府が相次いで政策を発表、地域産業への発展を目指し各地で集積地が形成 | |
eFuel、メタノール、天然ガス、再エネへのシフト戦略の下に、補助的なエネルギー選択肢として活用 |