発 行 | |
■ 2024年7月末予定 |
|
体 裁 | |
■ A4判、約100頁 カラー印刷 バインダー形式 or WEB印刷版 |
|
予約特別価格 | |
■ 495,000円(税込) ※発行前申込に限る PDF+報告会:780,000円(税込) |
|
ご案内用チラシPDF | |
素材受給と技術展開、そしてコストのバランスと現実的なバッテリー戦略の実現
世界では主要各国の環境政策の厳格化とともに「xEV」と呼ぶ電動化が進展しています。こうした電動化の進展と同時に重要視されているのが、「駆動⽤バッテリーの確保」です。COVID-19を前後にBEVでトップシェアを誇るTeslaが注⽬を浴びたこと、2023年にはBEV+PHEVで300万台の販売を越したBYDといった新興メーカーの登場は、今後の電動化に加え、彼らの製品やそれを⽀えるバッテリー戦略に⾄るまで世界主要完成⾞メーカーの戦略に影響を及ぼしたといえるでしょう。
電動化への完成⾞メーカーの計画が進んでいることに伴い、現在xEVのコアとなるバッテリーの確保が再び重要視されております。2022年8⽉に⽶国バイデン⼤統領が署名したインフレ抑制法(IRA)が発効に伴った現地化対応とサプライチェーンの再構築に加え、欧州では欧州域内でのバッテリーエコシステムの構築に向けたバッテリーパスポート制度やCBAM(Carbon Border Adjustment Mechanism・炭素国境税)の導⼊に伴ったバッテリーの現地化が求められております。ただ、バッテリー材料そのものは、世界主要資源国からの調達が可能でありますが、鉱⼭から採掘された材料を、バッテリーの正極材、負極材等に加⼯する⼯程はほとんど中国で⾏われ、その依存もますます増⼤しているのが現状です。これは、世界のBEV業界がバッテリーを通じて中国にコントロールされていることを意味します。こうした構造を打開するため、欧⽶の規制法案はバッテリー分野で強国として君臨する「中国」を排除し、バッテリーの各国の⾃給能⼒確保と産業育成を図る「⾃主独⽴」を⽬指し、それぞれの地域における⾃前のバッテリーエコシステムの構築と[Made by Non-China」のBEVを⽣産するといった、⾃動⾞業界の今後の動き(主導権)を守りたい狙いがあると⾔っても過⾔ではありません。とはいえ、過去数⼗年間で構築してきた現状のバッテリーサプライチェーンを急速に変化させることはできませんし、サプライチェーンの新規構築に⼤型投資が求められることを含めて考えると、今後こうした欧⽶の政策とこれに伴う中国デカップリングに加え、ロシア・ウクライナ戦争、イスラエル・パレスチナ紛争等といった様々な政治・安保状況がバッテリー調達においてさらなる悪材料となり、負の影響を及ぼし続けると考えられます。さらに、素材段階での深刻な問題は今後の2030年、2035年、2040年において求められる各国の環境・電動化規制への対応を難しくする可能性があるほか、完成⾞メーカー各社の事業計画そのものを揺るがしかねません。
世界的にカーボンニュートラルの実現に向けて、BEVを中⼼とした電動化シフト計画が進められているのですが、この計画の実現において根幹ともいえるバッテリーの需給不安は、今後新たな展開を⾒せるに違いありません。既に発表されている⽣産能⼒の計画では、2035年までに少なくとも3∼4TWh規模の⽣産能⼒が⾒込まれています。しかし、このうち、⼀部にESS(蓄電システム)などの⾮⾃動⾞向けも含まれていることから、実際の完成⾞メーカー各社が計画通りバッテリーを調達できるとは限りません。また、バッテリーの材料そのものの需給不安があることから今後の推移を⾒届ける必要があります。このような状況の中で、⾃動⾞各社はいつどのようにどれくらいのバッテリーをいかに調達し、確保しようとしているのか、そして、いかにコストを下げて利益基盤を⽣み出そうとしているのか、さらに、素材から破棄、リサイクル、再利⽤といった⼀つのバリューチェーンの形成に関する各社の取り組みはどうなっているのか、様々な項⽬に関して業界の注⽬が集まっています。
本調査報告書では、世界的な電動化の動きとともに注⽬が⾼まっている駆動⽤バッテリー分野について、政府政策および⾃動⾞メーカー・サプライヤー(セル・部品など)の成⻑や戦略・将来展望の取りまとめに加えバッテリーを取り巻く世界的パワーバランス、投資、提携関係などあらゆる分野において調査・分析を致します。特に材料需給状況とコスト変動解明に注⼒して、より現実的なバッテリー産業の⾒⽅と電動化への実現可能性について分析しております。主要⾃動⾞メーカー及びバッテリーサプライヤーの動向確認、今後の電動化分野における予測・判断材料として、当報告書をご活⽤頂ければ幸いです。
▼1章へ | ▲PAGE TOP |
総論 |
|
xEVバッテリーと世界⾃動⾞産業の電動化進捗の相関関係
|
・ | 2035年電動⾞予測とxEV⽤バッテリーの展望 |
・ | xEV⽤バッテリーの現実的な取り組みと理想的なシナリオとの狭間 |
・ | ⾃動⾞向けおよび⾮⾃動⾞向けバッテリーをめぐる主な取り組み |
▲総論へ▼2章へ | ▲PAGE TOP |
第1章 |
|
世界主要マーケットの環境規制と⾃動⾞産業
|
・ | 欧州、⽶州、アジア(中国、⽇本、韓国、インド)の環境規制 |
・ | 電動化進捗と補助⾦など税制優遇策 |
・ | バッテリー産業関連の各国政府別政策動向 |
▲1章へ / ▼3章へ | ▲PAGE TOP |
第2章 |
|
主要完成⾞メーカーの電動化シフトとxEVバッテリー戦略
|
・ | VW Gr.、BMW、Mercedes-Benz、Stellantis、Renault/Ampere、GM、Ford、Tesla、Rivian、Lucid Motors、トヨタ、ホンダ、⽇産/三菱⾃、現代⾃グループ、BYD、NIO、Xpeng、Li Auto、その他OEM |
▲2章へ / ▼4章へ | ▲PAGE TOP |
第3章 |
|
主要xEVバッテリーメーカーの事業戦略と⽐較
|
・ | パナソニック/PEVE、東芝、GS ユアサ/ブルーエナジー、LG Energy Solution、Samsung SDI、SK On、CATL、国軒科技(Gotion)、CALB、Farasis、SVOLT、AECS他、PowerCo、Northvolt、Morrow、Freyr他、Solid Power、QuantumScape、SES等固体バッテリーメーカー |
▲3章へ / ▼5章へ | ▲PAGE TOP |
第4章 |
|
主要xEVバッテリー素材別動向・市場動向・技術開発・⻑期展望
|
・ | 正極材 |
・ | 負極材 |
・ | 電解液・電解質・添加剤 |
・ | セパレーター |
・ | 固体、Li-Metal、Na-ion、LiS等の次世代バッテリー |
・ | その他(バッテリーセルケース、銅箔、タブなど) |
▲4章へ / ▼6章へ | ▲PAGE TOP |
第5章 |
|
主要xEVバッテリー構成部品別市場・技術開発動向
|
・ | BMS |
・ | ⾼電圧ワイヤー |
・ | 熱マネージメント |
・ | 筐体(ハウジング):軽量化、素材など |
・ | バッテリーパック技術 |
▲5章へ | ▲PAGE TOP |
第6章 |
|
バッテリーリサイクルとサーキュラーエコノミーの実現
|
|
・ | バッテリーセルリサイクル(Redwood Material、Teslaなど) |
- | 正極材、負極材など素材別リサイクル技術、動向など |
・ | ⾞載バッテリーセルのESS転⽤ |
・ | バッテリーリサイクルの将来展望 |