発 行 | |
■ 2024年5月9日 |
|
体 裁 | |
■ A4判、170頁 カラー印刷 バインダー形式 or WEB印刷版 |
|
価 格 | |
■ 297,000円(税込) PDF+報告会:737,000円(税込) |
|
ご案内用チラシPDF | |
競争焦点となる市場ニーズ対応製品開発力と収益化に向けたコスト削減
フォーインが独自に集計した世界29ヵ国の電動二輪車販売台数は、2021年に過去最高の892万台となりましたが、2022年に827万台、2023年に805万台となり、2年連続で減少となりました。販売減少は、世界電動二輪車販売の8割以上を占める中国で需要が落ち込んだことによります。中国では、電動自転車(EB)、電動モペッド(EM)、電動二輪車(EV)の新規格が2019年に導入され、COVID-19感染拡大によるパーソナルモビリティ需要もあり、2020年から2021年にかけて大規模な更新需要が発生しました。しかし、2022年以降、更新需要が一段落しつつある中、不動産不況による景気後退で廉価なEBへ需要がシフトしたこともあり、EM/EV販売台数は2021年の834万台から2022年に704万台、2023年に647万台へと減少しました。
その一方で、電動車普及加速・生産促進策FAME IIを導入しているインドでは、ガソリン価格の高騰に加え、製品の新規投入が相次いだことから、電動二輪車販売台数が2023年に前年比23万台増の86万台へと拡大しました。また、電動車の購入補助金を導入したタイやインドネシアでも電動二輪車販売が2万台前後ながら、需要が増加傾向にあります。欧州では、カーボンニュートラルに向けた取り組みの一貫として、電動二輪車の購入補助金制度や税制優遇措置などを導入しており、フランス、ドイツ、スペインなど電動車比率が上昇してきましたが、2023年は比率が低下しました。しかし、今後、排ガス規制強化に加え、都市部での内燃機関車走行規制強化によって、電動車比率が大幅に上昇することが予想されます。
世界電動二輪車市場は、2035年に向けて、インド、ASEAN、欧州などにおける需要増加で成長が見込まれますが、2030年以降に少子高齢化が急速に進む中国では需要後退が予想されます。こうした状況の中、雅迪科技(Yadea)、愛瑪科技(AIMA)、浙江緑源(Luyuan)など中国の大手電動車専業メーカーは、最新の設備とデジタル技術を導入した最新鋭のスマートファクトリーを立ち上げるとともに、コスト削減や電費効率を向上する最新のバッテリーやモーター技術などを導入した製品開発に注力し、欧州やASEANを中心に海外事業の強化・拡大に取り組んでいます。世界二輪車メーカー最大手の本田技研工業は、2027年頃にインドやインドネシアに電動二輪車専用工場を立ち上げて電動車事業を本格化させます。
フォーインがこの度発刊しました本報告書「世界電動二輪車産業の2035年展望」では、世界の電動二輪車販売・生産の現状、海外事業展開を本格化する中国メーカー、現地大手スタートアップ、グローバル二輪車メーカーの電動車戦略などを分析し、2035年の世界二輪車市場・産業を展望します。貴社の二輪車事業計画立案などの一助としてご活用いただければ幸いです。
▼2章へ | ▲PAGE TOP |
第1章 |
|
世界電動二輪車産業
|
1. 世界電動二輪車関連政策 | |
◇ | インド、インドネシア、タイなど二輪車主要国で電動車産業支援策の導入が活発化 |
2. 電動二輪車新興メーカー/専業メーカーの事業戦略 | |
◇ | 中国電動二輪車メーカーは製品競争力を高めてASEANを中心にプレゼンス拡大をめざす |
2-1. 雅迪科技集団: 主要電動部品企業買収でコスト競争力を強化 | |
2-2. 愛瑪科技集団: ユーザーファーストと革新製品で成長めざす | |
2-3. 浙江緑源: 独自の液体冷却技術で製品力を強化して成長めざす | |
2-4. 江蘇新日電動車: Sunraブランドで海外事業展開を加速 | |
2-5. Gogoro: 提携による海外展開が限定的、収益化が喫緊の課題 | |
2-6. Ola Electric Mobility: IPO資金調達と品質管理が喫緊の課題 | |
3. グローバル二輪車メーカーの電動車事業戦略 | |
◇ | 日米欧二輪車メーカーの電動車事業は限定的、インド3社は提携を含めて電動車事業を拡大 |
3-1. 本田技研工業: 中印の先進電動車に対抗する製品開発が課題 | |
3-2. ヤマハ発動機: 柔軟アプローチで電動車事業を展開も限定的 | |
3-3. TVS Motor: ハイエンド電動車製品強化で収益改善めざす | |
3-4. Bajaj Auto: マルチパスウェイ戦略の中で模索する電動車事業 | |
3-5. Hero MotoCorp: 製品拡充と提携活用で電動車事業成長めざす | |
4. 世界電動二輪車市場動向と2035年展望 | |
◇ | 世界電動二輪車販売は中国が8割を占めるが、2035年にインド/ASEAN比率が5割以上へ |
5. 世界二輪車生産動向と2035年展望 | |
◇ | 世界電動二輪車生産は、2035年に向けて中国が減少する一方、インド/ASEANで生産拡大 |
▲1章へ / ▼3章へ | ▲PAGE TOP |
第2章 |
|
アジア主要国の電動二輪車産業
|
1. インド: 電動二輪車産業発展の鍵となる部品国産化と燃料政策 | |
◇ | 電動車普及加速・生産促進策FAME IIと生産連動型優遇策PLIで電動車産業の育成めざす |
◇ | 2023年電動二輪車販売は前年比39.5%増の85.9万台、Ola Electric Mobilityが2年連続トップ |
◇ | 電動二輪車生産能力は2023年344万台で稼働率25%、SKDが半数を占める |
◇ | 現地企業による電動部品事業への参入が相次ぐが、廉価な中国製品との競合が課題 |
◇ | 所得水準の高い州を中心に整備が進む充電インフラ、OEMは急速充電網を整備 |
◇ | 電動車産業の先行きはバイオ燃料を含む政策内容と電動部品国産化の進展次第 |
2. パキスタン: 二輪車の資産価値重視で電動車需要は限定的 | |
◇ | 政府は2030年に二輪/三輪車販売における電動車比率50%をめざす |
◇ | 電動二輪車製造ライセンス取得メーカー22社存在、低価格製品も市場投入 |
◇ | 独自の電動モーターサイクル市場の創出も、資産価値に優れるHonda製二輪車の寡占続く |
3. インドネシア: 電動車需要は限定的、中国製品依存度高い | |
◇ | 電気自動車エコシステム構築に向けた政策導入が活発化 |
◇ | 購入補助金導入で新製品投入が活発化したが電動二輪車需要拡大は限定的 |
◇ | 電動二輪車の現地組立計画が相次ぐが主要電動部品の現地化が課題 |
◇ | 電動二輪車は製品の信頼性が得られれば2035年に販売が120万台、生産が110万台へ |
4. タイ: Honda製カブ需要根強く電動車販売拡大は2027年以降 | |
◇ | エネルギー安保、カーボンニュートラル、イノベーション経済めざして電動車産業育成 |
◇ | 電動二輪車販売は2023年に前年比倍増の2万台超、DECOが販売シェア40% |
◇ | 地方での利便性に優れるカブ需要が根強い中、電動二輪車比率は2035年に3割程度 |
5. ベトナム: VinGroup経営資源活用しVinFastが電動車事業拡大 | |
◇ | 電動二輪車普及に向けた政策は限定的、2030年に都市部で二輪車走行規制導入予定 |
◇ | 電動二輪車販売は電動モペッドが中心、販売トップはバッテリーレンタルのVinFast |
◇ | VinGroupの経営資源を活用するVinFastが電動二輪車産業を牽引 |
6. フィリピン: 商用向けを中心にL3電動二輪車の需要が拡大 | |
◇ | 2040年に二輪車保有台数の10%をEV化、当面はエネルギー消費を抑制する燃費性能を重視 |
◇ | 中国電動二輪車メーカーの参入が活発化するも2023年時点L3電動二輪車販売は限定的 |
◇ | 中国・台湾系を中心に2035年に20万台規模の販売が予想されるL3電動二輪車 |
7. 中国: 上位シフトと海外事業拡大めざす大手電動車メーカー | |
◇ | 電動自転車規格改定で2020年から2023年にかけて大規模更新需要が発生 |
◇ | CCCM加盟メーカーの2023年電動モペッドを含む電動二輪車販売は推定650万台 |
◇ | 2020年以降、大手電動二輪車メーカーのスマートファクトリー新設が相次ぐ |
◇ | グラフェン電池やナトリウムイオン電池でコスト削減めざす大手電動二輪車メーカー |
◇ | 電動二輪車販売は少子高齢化で2035年500万台前後、生産は海外事業拡大で増加 |
8. 台湾: 電動部品産業の発達で電動二輪車のグローバル拠点化へ | |
◇ | 2050年ネットゼロ排出ロードマップで2035年二輪車新車販売電動化率70%目標 |
◇ | 電動二輪車は2020年以降減少続く、二輪車販売に占める電動車比率は10%前後で推移 |
◇ | 電動二輪車生産はほぼ国内市場向けだが、2024年以降、Gogoroなどが海外事業を本格化 |
◇ | バッテリーを含めて電動部品産業が発達、電動二輪車のグローバル生産拠点化へ |
9. 日本: 主要二輪車メーカーによる電動車事業は限定的 | |
◇ | 電動二輪車購入補助金制度はあるが支給対象モデルが限定 |
◇ | 主要二輪車メーカーの国内電動二輪車事業は限定的 |
▲2章へ / ▼4章へ | ▲PAGE TOP |
第3章 |
|
米州主要国の電動二輪車産業
|
1. 米国: CA州のZEM規制等で2028年以降に電動車販売拡大 | |
◇ | カリフォルニア州が2028MYからZEM Credit Program導入で電動二輪車販売を義務付け |
◇ | 2028年以降、カリフォルニア州のZEM規制やダートバイク規制で電動車販売が拡大 |
2. ブラジル: 政府はバイオ燃料推進、2035年電動車比率2~6%へ | |
◇ | バイオ燃料を推進する政策が導入されている中、電動二輪車に対する優遇措置は限定的 |
◇ | 電動二輪車販売トップのVoltzが経営難、2023年電動車比率は0.54%にとどまる |
3. アルゼンチン: 経済危機の中、電動二輪車需要の拡大見込めず | |
◇ | 深刻な経済危機の中、電動二輪車に対する優遇措置は限定的 |
◇ | 電動二輪車販売は年2,000台未満、Sunraブランド車がシェア50%以上を占める |
4. コロンビア: ガソリン価格高騰するも電動車需要拡大せず | |
◇ | ガソリン補助金の段階的廃止を実施、電力インフラ整備計画に遅れの懸念 |
◇ | ガソリン価格が高騰するも需要が喚起されない電動二輪車 |
▲3章へ / ▼5章へ | ▲PAGE TOP |
第4章 |
|
欧州主要国の電動二輪車産業 |
1. フランス: パリの内燃機関車乗入規制等で電動車需要拡大へ | |
◇ | 電動二輪車購入補助金Bonus Écologiquesに加え、都市部で電動車優遇措置導入 |
◇ | 2023年から2024年に電動二輪車販売が減少、2025年以降は需要拡大基調へ |
2. スペイン: 高価格と若年層の高失業率が電動車需要拡大のネック | |
◇ | 電動車購入補助金Plan Movesは2024年7月まで実施、補助金支給迅速化を計画中 |
◇ | NUUKが商用需要に注力して2023年電動二輪車販売トップへ、個人需要開拓が課題 |
3. イタリア: 長期的に電動車比率高まるが2023年は4%割れ | |
◇ | 電動二輪車購入補助金Ecobonusは2026年まで実施予定、ゼロエミッションゾーン導入も計画 |
◇ | 2023年電動二輪車販売は購入補助金を活用できるも前年比25%減、電動車比率4%割れ |
4. ドイツ: 高速・長距離走行のレジャーが主流で電動車需要限定的 | |
◇ | 連邦政府による電動二輪車購入補助金は導入されず、GHGボーナスは資格対象を厳格化 |
◇ | 2022年にGHGボーナスで電動二輪車販売急増も、2023年以降は需要が急減 |
5. 英国: 2035年に全Lカテゴリーゼロエミッション化を検討 | |
◇ | 2024年4月にL1e電動車購入補助金終了、2030年までにカテゴリーL1をゼロエミッション化 |
◇ | 電動二輪車販売は2022年に頭打ち、L3カテゴリーのゼロエミッション化は先行き不透明 |
6. その他欧州諸国: オランダ/ベルギーでモペッドの電動化が進展 | |
◇ | 欧州で拡大する低排出ゾーンの導入、ゼロエミッションゾーンも一部の国で2025年以降に導入 |
◇ | L1e電動車比率はベルギーが6割、オランダが4割、2035年までにモペッドはほぼ全量電動化へ |
▲4章へ | ▲PAGE TOP |
第5章 |
|
その他主要国の電動二輪車産業
|
1. トルコ: 女性新規ユーザーが電動二輪車需要拡大を牽引 | |
◇ | 電動二輪車に対する自動車税及び特別消費税の優遇は限定的 |
◇ | 女性の新規二輪車ユーザーが電動二輪車販売を牽引、EUへの輸出拠点化の可能性 |
2. アフリカ: バイクタクシーの電動化を推進する動きが活発化 | |
◇ | 財政を圧迫する輸入ガソリン消費抑制を目的にバイクタクシー電動化の動きが活発化 |
◇ | バイクタクシードライバー向けバッテリー交換式電動車事業が活発化も投資コストが足枷 |