HOME > 第一回 FOURIN 世界電動車カンファレンスのご案内

第一回 FOURIN 世界電動車カンファレンス

「世界の電動化の実情を見ながらデジタル化との融合を考える」

日本最大の課題:電動化とデジタル化の融合

2022年に世界の電動車(BEV、PHEV、FCEV)販売は過去最大の1000万台を突破し、世界全体の新車販売の13%を占めるに至りました。電動車の7割はBEVが占め、新しいプレーヤーも続々と市場参入し、市場ニーズにきめ細かく対応した多様なBEV提案が始まっています。バッテリー価格が高止まりしてはいますが、中国では政府補助金の活用とともに、内装デジタル装置の充実で新たな消費者を獲得しつつあります。急速に多様な製品を開発し、デジタル機能の充実、高度安全機能など、割高でも消費意欲を掻き立てることに成功していますが、カギは開発、製造準備におけるバーチャル・エンジニアリングと、今後のBEV製品の魅力を最大化する自動運転や高度通信機能を制御する高性能半導体チップ(SoC)の開発と制御ソフトウェアの獲得です。

本セミナーでは、世界的なBEV販売拡大の実態を把握するとともに、製品魅力を獲得するために必要な課題を、業界スペシャリストと弊社のアナリストが協力して明らかにするものです。日本自動車産業の電気自動車化に必要とされるデジタル開発、短期開発プロセス導入、高度安全・通信機能充実に不可欠な半導体開発課題に対し理解を深めることを目的に企画いたしました。是非とも、世界自動車カンファレンスにご参加頂きますようお願い申し上げます。

世界の環境政策・規制が求めるBEV/PHEV/FCEV新車販売台数と比率

※ 画像をクリックすると大きいサイズでご覧になれます。

世界電動車カンファレンス & ネットワーク懇親会

世界電動車カンファレンス ネットワーク懇親会
日時 2023年4月24日(月)  13:10~18:30 2023年4月24日(月)  19:00~21:00
場所

品川シーズンテラスカンファレンス
アネックス棟3階 ホール

アクセス:https://www.sst-c.com/access/index.html

グッドモーニングカフェ 品川シーズンテラス
(品川シーズンテラス 2F)

アクセス:https://gmc-shinagawa.com/access.php

内容 日本最大課題:電動化とデジタル化の融合 来日講演者と懇談するパーティー
参加費用
(一人あたり)
49,500円(税込み)/1名様
リモート参加も可、テキスト代込み
5,500円(税込み)/1名様
定員人数 先着 現地50人、リモート50人

(定員になり次第締め切ります)

先着25名

(定員になり次第締め切ります)

申込 ネットフォーム から

タイムテーブル : 課題認識セミナープログラム

講演①

13:20

BEV化速度の見通しとTesla 先行の脅威

バッテリー高止まり、購入補助金が減額の中でも、世界最大利益率のTeslaから日本の課題を考える

フォーイン 企画調査部 シニアアナリスト 李 強福

講演②

14:05

欧米企業のバーチャル・エンジニアリング導入状況

BEV 開発に問われるVE

Segula Technologies Japan 社長 都留 典孝 氏

講演③

14:50

中国民族系自動車メーカーのBEV開発短縮プロセス

中国でBEV開発をサポートしてきた立場から

島影事務所 所長 島影 茂 氏

講演④

15:50

Software Defined Vehicle 時代のSoC

自動運転/車両制御SoC 開発に乗り遅れないために

太田オフィス 代表 太田 隆裕 氏

講演⑤

16:35

中国のBEV化動向

中国BEV化先行の実態、BEV化進展の真因分析

フォ―イン 取締役 中国調査統括 周 錦程

講演⑥

17:05

インドの二輪車電動化動向

2022年販売急増も電動部品の現地化が課題

フォ―イン 取締役 企画調査部長 前田 偉康

講演⑦

17:35

BEVで覇権獲得を目指す中国に欧米はどう対抗するか

米国IRAとEU Fit for 55の世界自動車産業への影響

フォ―イン 取締役 特化領域調査担当 東 尚史

討 論

18:10

電動化、デジタル化実現へ日本自動車産業の課題

BEV収益化アイデア、リマニ/リユース/リサイクル先行する中国BEV化、
インド二輪BEV化から学ぶ

司会: フォ―イン 代表取締役 久保 鉄男

懇親会

19:00

ネットワークディナー(品川地域の会場検討)

別料金にて開催、会場選定中

バーチャルエンジニアリング、短期開発プロセス、自動運転/車両制御SoC開発についての
業界スペシャリスト講師

  • 都留 典孝
    Segula Japan株式会社代表、
    株式会社ビーザイセフル代表取締役

    慶應義塾大学理工学部機械工学科修士課程修了後、1982年に日産自動車入社。車体設計、エンジンルーム・レイアウト、車両計画などを担当。1996年にGMに転職、Opel・スズキ合弁プロジェクトのリーダーとしてスズキ浜松、オペル開発センター(独)で勤務。2004年に日産自動車に復帰、コンパクトカー開発の車両開発主管。2012年Faurecia Japan内装事業部副代表。2018年よりフランスのエンジニアリング会社の日本法人Segula Japan株式会社を立ち上げ現在に至る。

    講演② 14:05

    欧米企業でのバーチャル・エンジニアリング導入の状況について

    欧米に対して日本で遅れをとるバーチャル・エンジニアリングについて欧州開発現場との比較から検証し、課題提起する

    2000年代までは、日本企業はいわゆる「すり合わせ開発」による「サイマル開発」により、短い車両開発期間により高品質の商品を開発してきた。

    しかし、2000年代より、コンピューター処理能力の飛躍的な向上を受けて欧米ではデータ上での国際連携を可能とするバーチャル・エンジニアリングの採用が進み、物理的なモノの形状データのみならず、それを用いた各種解析によりモノを作る前にバーチャル世界で強度・耐久・各種性能確認含め開発を完成させるV字開発の導入が急速に進み飛躍的に進化した。日本のOEMでも日産自動車のV3Pに代表されるデジタル開発の導入が進んではいるが、問題解決よりもデータ管理に重きを置きすぎたため、開発の効率化がむしろ阻害された歴史がある。講師の日産自動車時代の経験と、現職である欧州の開発会社であるSegula Japanでの経験を対比し、欧米のバーチャル・エンジニアリング活用の現状について語り、日本の製造業への課題提起をします。

  • 島影 茂
    島影 技術事務所・所長

    北海道大学工学部応用物理学科卒業後、日産自動車で高級FR車を主に車両NVH性能の開発に従事。(1974年~1999年)以降、日本国内にて自動車関係各社(日立、横浜ゴム、住友ゴム、日本電産)で、製品開発・技術開発に携わる。このほかに、韓国・現代自動車日本技術研究で、商品開発や初代Genesisの駆動系振動問題の解決に関わる。
    2012〜2022年の10年間は、中国自動車会社3社(東風⇒長城⇒吉利⇒東風汽車)にて、車両のNVH性能開発を主に、車両開発や技術指導、部品会社(タイヤ、モータ)を行った。長城汽車では、駆動系振動問題でSOPが1年遅れていたH8車の難解現象を解決した。

    講演③ 14:50

    中国民族系自動車メーカーのBEV開発短縮プロセス

    中国現地でBEV開発をサポートしてきた立場から

    中国自動車会社での車両開発に従事した経験を元に、中国自動車会社における開発プロセスに関し、プロセスの中身、運用実態と状況、課題などについて説明する。また、中国自動車会社の技術レベルや開発体制、人材育成面での実態も大まかに説明をします。

    ・説明の骨子は以下の通りです。

    (1)プロセスは、GM/Fordのものを用いているが、実際の運用では、①技術力(蓄積技術ノウハウ含む)②中国独特の制約と限界が大きな障害となり、開発日程、目標達成面で問題が出ている。

    (2)これら①、②の改善や向上は容易ではなく、今後の開発競争面で“足かせ”になる可能性がある。特に②は、「全体主義から来るトップダウンの仕組み」が技術面でも出ており、デザインレビューの形骸化、意思決定方法、責任体制など欧米・日本などの先進自動車会社とは異なる。

    (3)一方、中国の強みは自動車開発を支える外部会社の存在である。⇒ベンチマーク/リバースエンジニアリング~図面化/商品企画/CAE解析/検証試験/など

  • 太田 隆裕
    アイディアポークジャパン株式会社
    代表取締役/太田オフィス代表

    1981年4月ロームに入社、LSI商品開発本部で半導体の開発・設計を担当、2013年7月~LSI商品戦略本部責任者として新規事業創出を担当、2015年8月~Rohm Powervation USA役員就任、2016年10月~ROHM Semiconductor USA, LLCにて車載向けLSIのビジネスディベロップメントを担当、2018年3月~ロームにて市場調査部東京分室責任者を担当した後退社。
    2019年4月より現職。幅広いパワー半導体、制御用半導体の知見を背景に様々なコンサルタント業務を行っている。

    講演④ 15:50

    Software Defined Vehicle時代のSoC

    自動運転/車両制御SoC開発に乗り遅れないために

    産業のコメともいわれる半導体。かつては、日本勢も垂直統合型でビジネスを行い、投資競争を戦っていた。その後、スタートアップ企業が開発し、TSMCなどのファウンドリメーカーが製造する形が誕生してからは、投資規模がさらに大きくなり、日本勢は衰退。この流れを受け、自動車産業も自社でキーになるSoC(半導体)を自ら開発し、TSMCなどで生産する流れになりつつあります。これは、すでに重要SoC(半導体)が自動車の性能を左右する重要な部品になっているからです。

    この流れは今自動車産業に押し寄せる波ですが、家電製品や携帯製品そしてPC関連商品はすでにこの流れが定着しています。つまりテスラが重要SoC(半導体)を自社開発したように、同じ流れが自動者産業にも押し寄せています。

    日本の自動車OEMの皆さんはこの流れに乗るのでしょうか、あるいは今まで通りnVIDIAやQualcommそしてルネサス等のSoCを使い続けるのでしょうか。

世界自動車産業の電動化動向についてのFOURINスタッフ講師

  • 李 強福
    株式会社FOURIN 企画調査部
    シニアリサーチャー
    講演① 13:20

    BEV化速度の見通しとTesla先行の脅威(基調講演)

    バッテリー価格高止まり、購入補助金が減額・中止される中、Teslaが世界最大利益率を上げている理由から日本の課題を考える

    世界的な環境規制・カーボンニュートラルへの要求から、近年の自動車産業は電動化対応に向けた投資と事業展開が加速している。2025年からノルウェーなど北欧地域の国を皮切りに、世界の主要国・地域でエンジン車(ICEV)の販売を禁止するといった動きが鮮明になっている。こうした規制は結果的にBEVを軸にした電動化へと世界自動車産業を向かわせており、2022年に世界でBEVは700万台以上の販売台数を記録した。700万台のうち、半分以上が中国となっており、世界的なBEV競争は中国を中心に繰り広げられ、中国BEVマーケットを誰が取るかによって、今後のBEV競争で有利なポジションを取ると言っても過言ではない。このような中国BEV市場でのトップ競争を狙ってBEV業界で先行しているTeslaと、それをおいかけるBYDの競争が目立つ。勢いではBYDの方がスピードを増しているものの、利益を含めた体力的な戦いでは依然としてTeslaが優位とされる(利益率ではTeslaがBYD比5倍大きい)。こうしたBEV競争でもTeslaは2022年決算で営業利益率16.2%と、自動車業界最大の利益を示した。通常、BEVはICEVをメインに営んできた従来の自動車メーカーからすれば儲からないビジネス。なぜTeslaはBEVでここまで利益を出せているのか。2023年から中国を皮切りに、世界の主要自動車市場でBEV補助金もなくなっている。補助金なしでメーカー各自の実力だけでBEVを販売していかないといけないといった、市場の変化に加え、近年深刻化している材料不足とコスト増といった事業環境の深刻化の中で、Teslaが考える儲かるBEVビジネスと、ここからうかがえる様々なファクトをもとに日本自動車産業が今後考えるべき方向性についてご報告いたします。

  • 周 錦程
    株式会社FOURIN 取締役
    中国調査部 部長
    講演⑤ 16:35

    中国のBEV化動向

    中国BEV化先行の実態、BEV化進展の真因分析

    中国ではBEV化が急速に進展しています。購入インセンティブ、燃費規制、NEV規制等政策がBEV化の進展速度を左右しているだけではありません。中国OEMはコスト低減に努力しながら、HMI/IVIのUX向上を外資系より先駆けて推進したことが消費者から評価されてBEVならではのUXが定着し販売拡大を実現しました。一方、欧州・日系は相変わらずクルマの加速、電費等本来の性能を重視することを中心にBEV開発に取り組んでいますが、インフォテイメント、自動運転等性能への期待が高い中国の消費者ニーズの変化を的確に捉えられていません。製品魅力が中国製品に劣っているという実態の認識から製品力の再構成を図るヒントを探ります。

  • 前田 偉廉
    株式会社FOURIN 取締役
    企画調査部 部長
    講演⑥ 17:05

    インドの二輪車電動化動向

    2022年販売急増も電動部品の現地化が課題

    インドの電動二輪車販売は、2020年まで年3万台未満でしたが、2021年に15万台、2022年に62万台へと急増しました。ガソリンの価格の高騰やEV購入補助金の増額を追い風に、多数のスタートアップが電動二輪車事業に参入し、新製品の投入が相次いだことによります。電動二輪車を販売するメーカーや輸入会社は2022年末時点で100社を超え、モーター、コントローラー、バッテリーの主要電動部品事業に参入する現地企業や外資系企業も急増しています。しかし、急速な電動化シフトは、EV製品の火災事故、補助金の不正受給、中国製品の輸入急増、急速なバッテリー劣化など様々な問題が噴出しています。当講演では、インド電動二輪車産業が直面している課題と将来展望についてお話します。

  • 東 尚史
    株式会社FOURIN 取締役
    特化領域調査部 部長
    講演⑦ 17:35

    BEVで覇権獲得を目指す中国に欧米はどう対抗するか

    米国IRAとEU Fit for 55の世界自動車産業への影響

    中国はNEV40%(2030年)の電動化目標を前倒しで達成する勢いです。EUは2035年にZEV100%、米国は2030年にEV(PHEV含む)50%の目標を掲げています。

    BEVで覇権獲得を目指す中国に対し、米国は2022年8月にインフレ抑制(IRA)法を成立させ、EUも炭素国境調整措置(CBAM)や欧州共通利益重要プロジェクト(IPCEI)で域内産業の保護を進めています。一方、米国が進める中国とのデカップリング政策に対し、EUは曖昧な態度をとっており、この点では日本の置かれた立場にも似ています。米国のIRAが、中国以外の国や地域と新たな摩擦を生んでいるという側面もあります。

    状況がますます複雑化する中で、それでもモビリティの炭素中立を実現することが自動車産業に課せられた使命です。欧州自動車メーカーの戦略を中心に、2030年代に向けた世界自動車産業の見通しをお話します。

会場:アネックス棟 3階 フロア紹介