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AUTO EXPO 2008

2008年1月9日より、インド・ニューデリーで「自動車エキスポ2008」が開幕した。インドで46.7%(2007年1〜11月)の乗用車(UV, MPV,VAN含む)シェアを持つスズキ。これを追うシェア第二位の財閥系タタ自動車が超廉価車「Nano」(ナノ)を発表し、世界を驚愕させたのが午前 11時半。

インド市場で乗用車年産20万台程度の一民族企業が出す新型車がこれほど全世界から注目を集めたことはかつてなかった。発表会場には3,000人を超える報道陣や業界関係者が殺到した。大音響に送り出されて、今秋から発売開始されるという「Nano」が登場した。日本でいう軽自動車より一回り小型の四人乗りハッチバック車。排気量623㏄の二気筒エンジンを搭載している。出力33馬力。

「そんなに安く作るのは不可能だ」と疑問視する業界関係者は多かった。それでもラタン・タタ会長は「安全面、環境面で必要な基準はすべてクリアしている」と強調するとともに、価格を「10万ルピー(日本円で約28万円)」と発表し、「私は約束を守る」と宣言した。会場内はわれんばかりの拍手喝采に包まれた。今後は、タタ会長も認める「世界水準に届くには時間がかかる」としている品質である。

フォーインではニューデリーその他にアジア自動車調査月報編集長を含む2名を現地派遣している。以下は、現地からの写真速報である。

2008年1月11日現在

「写真速報」(フォーイン現地取材班より)

2008年1月、インド・New Delhiで第9回モーターショーAuto Expo2008が開催された

世界29ヵ国2,000社以上の自動車・部品企業が12万の36パビリオンに製品を展示

開会式には、政府、財界、業界団体代表がスピーチし、それぞれの立場から発展を祝った

2016年までにインド自動車産業がGDPの10%を担う最大産業に発展することを祈念した

最大の注目はTataが発表したモータリゼーションを見込んだPeople’s Car『Nano』

Ratan Tata会長は、車輌価格10万ルピーの公約を守るとともに、製品の魅力を強調

『インド人の夢』Nanoの発表会見には世界中からメディア・業界関係者が押しかけた

Nanoを少しでも近くで見ようと、発表2時間前から騒然とする会見会場

午前11時半発表されたNanoのベーシックモデルは車輌価格10万ルピーで発表された

低価格実現のため、ワイパーは一本、リアビューミラーも右側のみだが、EFIの採用で環境対応

上級Nanoはパワステ、エアコンを装備、コモンレール式ディーゼルも設定される

車輌価格は12万~15万ルピーとなり、Nano年販30万台計画の本命モデルとなる見通し

Tataはまた、コンパクト市場に10年ぶりのモデルチェンジになる新型Indicaを発表

新型Indica発売は2008年後半の予定で、洗練されたボディーデザインに注目が集まる

インド最大シェアをもつMaruti SuzukiはA- StarとSplashを発表してTataに対抗

世界戦略モデルを2008年から連続投入し、インド乗用車販売シェア50%死守を目指す

Splashはファミリーユースを想定したモデルで激戦区のコンパクトセグメントに投入

インド人好みの小型ながら広い室内のモデルで、Maruti Suzukiの製品ラインを固めた

VWは2009年11万台販売計画を担う戦略小型車、新型up!を発表

新型up!は富裕層を中心に拡大する上級小型セグメントと見られ、日本車との競争は必至

VWはまたグループ傘下のSkodaブランドから上級小型セグメントにFabiaを発表

上級小型セグメントの製品ラインを厚くすることで、高収益を伴う拡販をめざす

GMは2007年の二桁の販売急伸を担ったコンパクトモデルChevrolet Sparkを展示

Sparkは韓国GM大宇が開発したモデルで、2010年までに新型車に切り替えられる