北米国際自動車ショー(NAIAS: North American International Auto Show)が2016年1月11日、米国Detroitで開幕した。11日と12日が報道関係者向け、13日と14日が業界関係者向け公開となり、15日はチャリティプレビューが予定されている。一般公開は16日から24日までとなる。
カリフォルニア州などで施行されている、一定比率のプラグイン電動車の販売を義務づけるZEV規制が、2018MYから強化されることもあり、2016 NAIASでは、新型EV、PHEVの量産モデルやコンセプトの発表が目立った。好況を追い風に販売好調が続く高級ブランド車の新モデル、ガソリン価格の低位安定を背景に需要が旺盛なピックアップトラックのハイパフォーマンスタイプの公開にも注目が集まった。
GMは2017 Chevrolet Cruze PHEVをワールドプレミアしたほか、NAIASの前週にLas Vegasで開催されたCES(Consumer Electronics Show)において初公開したBolt EVの量産モデルを発表した。Boltの発表ではインフォテインメントシステムの充実や航続距離の長さがアピールされた。Fordは、新Fusion(フェイスリフト)のPHEVや2017 F-150 Raptor SuperCrewなどを世界初公開。Fordのプレス発表では製品ラインアップの拡充に加え、自動運転技術の向上などを背景にモビリティ企業として成長していくビジョンも強調された。Chryslerは、時代に合ったミニバンとして、Pacificaをワールドプレミア。同モデルには同社初のPHEVを設定。今後、需要に応じてPHEVモデルを増やしていく考えも示した。
欧州系では、M-BenzがE-Classなど、BMWがM2クーペなど、Porscheが911 Turboをワールドプレミア。排ガス不正問題で揺れるVWは新Tiguanのプラグインコンセプトを公開した。このほかトヨタがLexusのフラッグシップクーペとなるLC500、現代自がGenesis G90を発表した。
米国の2015年の小型自動車市場は前年比5.7%増の1,747万台と、6年連続で増加し過去最高を更新。2016年も高水準の販売が続き、通年で1,770万台程度に達するとの見方がある中、新モデルの公開とともに各社の販促活動もより一層強化される見通しだ。
2016年1月12日現在