2023年9月4日、ドイツMunichでIAA Mobility 2023(Internationale Automobil-Ausstellung in München)が開幕した。2021年にFrankfurtからMunichに開催地を移動して以来2回目となる今回は、自動車メーカー、部品サプライヤーの他、自動運転、LiDAR、半導体等の先進技術を扱う企業、充電インフラ網開発の団体・企業、マイクロモビリティやコネクテッドカー関連のスタートアップなど出展企業の分野や業態も多岐にわたった。前回以降、コネクテッドカーや自動運転などの先進技術を中心としたモビリティショーに軸足を移しており、来訪者がスマートフォンから充電やコネクテッドカーの操作を行えるなど体験型の企画を充実させている。
欧州系では、VWグループのVWブランドがBEV最新モデルのID.7やID.BuzzとともにBEV専用プラットフォームMEB+をベースとしたID GTIのコンセプトを出展。Audiは開発中のQ6 e-tronのプロトタイプを出展した。そのほか、グループ内の新事業として進めているバッテリーセル工場の模型、モビリティ事業MOIAに使用される車両、Porscheによるe-fuel生産プロジェクトの展示も行われた。M-Benzは、メイン会場から離れたApothekenhofに設置されたオープンスペースで、次世代MMAプラットフォームベースのCLAクラスのコンセプトと新型Eクラス All Terrainのワールドプレミアを行った。また発表の会場で、2023年秋から米国アトランタ州、中国四川省成都市、ドイツManheimなどで充電インフラ網設置事業を開始することを発表。地元開催となるBMWはNeue KlasseベースカーのVisionコンセプトを展示。さらに少量生産が決定している新型FCEVのiX5 Hydrogenを出展した。Renaultは新モデルScenic E-Techのワールドプレミアを実施。24%にリサイクル材料を使用し、廃車後はバッテリーを含む90%がリサイクル可能であるといい、サステナブルなファミリーカーというコンセプトを強調した。
米国系メーカーのTeslaは2013年以来のIAA参加となる。Model YとマイナーチェンジしたModel 3を出展した。会場での関係者へのヒアリングによると、Model 3は外装・内装を含む、全体の50%を刷新されているとのこと。出展理由について、Teslaの担当者はFOURINに対して、「Model SのマイナーチェンジとIAAの開催時期が丁度重なったため、発表の場所として選んだ」と説明した。
欧州市場への製品投入を本格化させるとみられている中国勢のプレス発表には一段と高い注目が集まった。BYDは、Seal、Seal U(SUV)の欧州市場投入とともに、サブブランドDenza D9(MPV)の投入も併せて正式発表した。Sealは2023年11月に納車開始で価格は4万4,900ユーロ、Seal Uの市場投入は2024年という。SAICグループ傘下のMGは2人乗りのロードスター、Cyberstarの欧州プレミアを実施。そのほか、MG4 XPOWER、MG Marvel Rを出展した。Leapmotorは初のグローバルモデルとなるC10(SUV)を発表。同社の最新プラットフォームLeap 3.0が採用されており、同プラットフォームをベースに2年以内に5モデルの新製品投入を予告。欧州、アジア、中東、米州の市場に向け投入する計画という。Xpengは2024年内にドイツ、英国、フランスへ、G9、G6(ともにSUV)、P7(セダン)の3モデルの投入を予告している。
2023年9月4日現在
VWグループ
M-Benz
BMW
Renault
Tesla
BYD
MG
Leapmotor