2015年4月2日、第10回ソウルモーターショー(Seoul Motor Show)のプレス発表が行われた。全体的な雰囲気は2年前のショーに比べて全体的に落ち着いた様子。自動車市場は2014年に166万台と18年ぶりに過去最高を更新したが、韓国経済の低調が続いており、そうした市場の雰囲気がモーターショーに現れた模様。今回のソウルモーターショーでは、現代自を中心とする国産車メーカーが世界初公開モデル6車種を発表した。コンセプトカーが多いが、起亜新型K5、韓国GM新型Spark等の量産モデルの世界初公開もあった。また、市販用新モデルでは、現代自がSonata PHEV、セミボンネットバンSolati等も注目を集めている。
起亜K5は、現代自Sonataとプラットフォームを共有する姉妹車で、トヨタCamryなどと競合するDセグメントの中型セダン。起亜らしいデザインのK5は、2つのタイプが発表された。プレミアムイメージのMX(Modern eXtreme)、スポーティなデザインのSX(Sport eXtreme)があり、1つのモデルで多様な需要に対応できるようにした。パワートレインは、2.0ℓガソリン(GE)/LPガスエンジン(LPI)、1.6ℓ/2.0ℓ直噴ターボGE、1.7ℓディーゼル(DE)、ハイブリッド、プラグインハイブリッドの7つのパワートレインラインアップを展開し、世界各国で厳しくなっている環境規制への対応を図っている。韓国GMは、韓国軽自動車規格(排気量1.0ℓ未満)に対応しており、取得・登録税等で税制優遇が受けられる。競合モデルは起亜MorningやRay。韓国で年間20万台規模の軽自動車市場でシェア回復を狙う。
一方、現代自については、世界戦略コンパクトセダンAvante(海外名Elantra)の新型モデルの発表が期待されたものの、発表は行われなかった。現代自は、Sonata PHEVと小型クロスオーバーコンセプトカーKND-12・Enduroを発表。Sonata PHEVは、2015年下期に韓国で投入される予定で、2016年以降に世界で年間6,000台の販売を目指すとしている。
双龍自は小型SUVのTivoliとプラットフォームを共有する小型SUVコンセプトXAVを発表。アーバンイメージのTivoliとは異なったアドベンチャーイメージを持ち、走る楽しさをアピールし、SUV専業メーカーとしてのブランドイメージの向上を図るとしている。Renault SamsungはPHEV Eolabをアジア初公開し、環境イメージの改善をアピールした。
輸入車ブランドでは、BMWがi8、Mercedes-Benzが新型S500 Plug-in Hybrid、AudiがA3 e-tron、VWがGolf GTEなどPHEVモデルを多数発表したほか、トヨタは燃料電池車MIRAI、ハイブリッドのPrius V、Lexus LF-LCコンセプト、ホンダがLegend HEV、FordがLincoln MKZ Hybrid等を公開し、環境車の発表が目立った。
2015年4月2日現在