燃料価格高騰、インフレ、新興国の通貨安で先行き不透明感増す世界二輪車市場
FOURINが独自集計した世界111ヵ国の2022年二輪車販売台数は、中国のゼロコロナ政策の影響、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格の高騰、世界的なインフレ、欧米の金利引き上げによる新興国の通貨下落などで、前年比187万台(同3.3%)減の5,477万台となりました。2023年は、中国ゼロコロナ政策の終了や半導体不足の緩和によって、インド、中国、インドネシアの世界3大二輪車市場で販売増加が見込まれることから、5,600万台に回復することが予想されます。しかし、ロシアとウクライナの戦争長期化と世界的な高インフレに加え、欧米の金利引き上げの影響で経済基盤の弱い新興国において通貨安と外貨不足が続くことから、それらの新興市場において需要低迷が続く見通しです。また、米中デカップリングによる世界的なサプライチェーンの再編に加え、環境・安全規制強化への対応などによって、二輪車価格のさらなる上昇が予想されます。その一方で、二輪車の経済性や利便性の見直し、電動二輪車の普及も急速に進んでいます。
「世界二輪車統計年刊2023」では、激動する世界情勢の中で変化する二輪車産業の現状を販売・生産・輸出などの基礎データから報告するともに、新興メーカーを中心に拡大する電動二輪車販売の現状についてもカバーいたしました。二輪車事業に携わる企業の方々や二輪車分野への参入を検討されている企業の方々にご利用いただければ幸甚です。
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![]() 第1章 |
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世界の二輪車産業の概況
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◇ | 世界二輪車販売は中国ゼロコロナ政策の影響で2022年に前年割れ、2023年は回復見通し |
◇ | 日印中二輪車メーカー10社で世界販売の8割を占める、最大手ホンダのシェアは33.8% |
2.世界BEV二輪車販売の概況 | |
◇ | 世界40ヵ国の2022年BEV二輪車販売は推定769万台、中国が全体の87%を占める |
3.世界二輪車生産の概況 | |
◇ | 世界二輪車生産は2022年に前年比2.7%減の5,832万台、2023年は6,000万台予想 |
4.世界二輪車輸出の概況 | |
◇ | 中国とインドの2022年輸出は主要仕向地アフリカの需要後退で大幅な前年割れ |
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![]() 第2章 |
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南アジア主要国の二輪車産業の概況
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インド | |
◇ | 二輪車市場のポテンシャルは2,500万台も伸び悩む可能性あり、 |
◇ | モーターサイクルに根強い需要の一方、電動二輪車のプレゼンスが急拡大 |
◇ | |
◇ | 二輪車輸出は2021年に初めて400万台を超えたが2022年は減少、 |
パキスタン | |
◇ | 産業基盤が弱く、緩慢な経済成長ペースで、二輪車生産は200万~250万台で停滞 |
◇ | 2022年半ばからの大洪水が二輪車市場を直撃、ホンダの独走が鮮明に |
◇ | ホンダの二輪車生産は2021/2022年度に前年度比5.5%増の136.3万台で過去最高 |
バングラデシュ | |
◇ | 二輪車需要は50万~60万台水準に拡大、今後も市場拡大見込まれる |
◇ | モーターサイクル中心の未成熟市場、2021年度に過去最高の60.3万台 |
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![]() 第3章 |
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東アジア主要国の二輪車産業の概況
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中国 | |
◇ | 内需において電動シフトが進行、世界最大の輸出拠点としてのポジションを堅持 |
◇ | 電動自転車規制強化で電動二輪車が急増、二輪車販売1,000万台超、電動比率56% |
◇ | 2022年の二輪車生産は1,901万台に、内需と輸出の両輪で世界トップの生産拠点として機能 |
◇ | |
台湾 | |
◇ | KYMCO、SYM、Gogoroなどの地場企業が電動車を含めて二輪車産業をけん引 |
◇ | 二輪車販売は2022年に15%減で2年連続前年割れ、電動車比率は12%超に拡大 |
◇ | 2022年二輪車生産は半導体不足の影響はあったが100万台確保、 |
◇ | 2022年の二輪車輸出は39.4万台、睿能創意(Gogoro)がアジア向けに輸出開始 |
日本 | |
◇ | コロナ禍による一時的な特需あったが、長期トレンドは少子化等で二輪車市場先細り |
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![]() 第4章 |
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ASEAN主要国の二輪車産業の概況
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インドネシア | |
◇ | ASEAN最大・世界3位の二輪車市場、年間600万台前後の需要 |
◇ | 2022年二輪車販売はコロナ禍前の8割水準の522万台に回復 |
◇ | 2022年の生産規模は596万台程度に回復、Piaggioが工場を稼働 |
◇ | 2022年に完成車輸出は前年割れも、過去最高の2019年の9割水準超え |
ベトナム | |
◇ | ASEAN第2位の二輪車市場のポジションを維持、輸出拠点化も進行 |
◇ | 2022年二輪車販売は前年比20.5%増の300万台、ホンダが市場シェア8割を堅持 |
◇ | 二輪車生産は2022年に330万台超に回復、EV分野への投資が進行中 |
タイ | |
◇ | 2022年に二輪車販売/生産ともにコロナ前水準に回復 |
◇ | |
◇ | 2022年に二輪車生産200万台回復も、2023年は国内需要減で200万台割れの可能性 |
◇ | 中大型二輪の輸出拠点として機能、2022年完成車輸出は2021年に引き続き40万台超を維持 |
フィリピン | |
◇ | 二輪車普及率は76台/千人で市場は拡大余地大きい、 |
◇ | 2022年二輪車販売は前年比8.9%増の156.4万台、2019年実績の9割水準まで回復 |
◇ | 2022年生産は前年比7.8%増の93.5万台、過去最高2018年の7割強水準 |
マレーシア | |
◇ | 2022年二輪車生産・販売は過去最高の70万台水準、成長余力に注目 |
◇ | 二輪車販売は2022年に過去最高の約70万台、ヤマハがシェアを43.4%に拡大 |
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![]() 第5章 |
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北米主要国の二輪車産業の概況
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米国 | |
◇ | 2022年二輪車販売は長引く半導体不足の影響で前年比3.5%減の53.7万台 |
カナダ | |
◇ | 2022年二輪車販売は半導体不足による製品供給制限で前年比8.6%減の6.6万台 |
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![]() 第6章 |
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南米主要国の二輪車産業の概況
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◇ | 2021年から二輪車需要回復が続き、2022年に136万台、2023年は149万台見通し |
◇ | 国内販売好調で二輪車生産が2022年141万台、2023年は9年ぶりに150万台回復見通し |
◇ | 2021~2022年二輪車輸出は5.5万台規模、仕向国別輸出で2022年にコロンビアがトップへ |
コロンビア | |
◇ | 2022年二輪車販売は過去最高の80.6万台、2023年はインフレと原油価格下落で70万台へ |
アルゼンチン | |
◇ | 2022年は前年比7.1%増の41.1万台、2023年は通貨安と景気低迷による外貨不足で減少見通し |
ペルー | |
◇ | 2022年二輪車販売は経済成長急減速で前年比13.9%減の25.1万台、 |
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![]() 第7章 |
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欧州(全体・主要国)の二輪車産業の概況
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欧州 | |
◇ | 欧州30ヵ国二輪車販売は2019年から4年連続増加して2022年に160万台へ |
フランス | |
◇ | 2022年は半導体不足等の影響で販売減もEV化が進展、 |
イタリア | |
◇ | 二輪車販売は2021~2022年29万台前後、2023年は30万台超えへ |
◇ | |
◇ | ホンダ、Piaggio、ヤマハの主要3社が2022年に販売減、台湾と中国メーカーがシェア拡大 |
◇ | 2021年以降、二輪車生産規模は35万台前後の水準が続く |
ドイツ | |
◇ | 二輪車販売は2020年以降22万台以上の水準続く、2023年も好調維持 |
◇ | 2022年ブランド別販売は、ホンダがBMWを抜いてトップ |
スペイン | |
◇ | 2022年二輪車販売はスクーター需要好調で前年比4.6%増の19.1万台、 |
英国 | |
◇ | インフレで消費意欲減退が懸念されるが、2023年も11万台前後見通し、 |
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![]() 第8章 |
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アフリカ(全体・主要国)の二輪車産業の概況
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アフリカ | |
◇ | アフリカ54ヵ国二輪車販売は2022年に30%減の416万台へ、 |
ナイジェリア | |
◇ | 2022年二輪車販売は外貨供給引き締めで前年比40%減、 |
ケニア | |
◇ | 2022年は、大干ばつ、燃料・穀物価格高騰、通貨安等で二輪車販売が半減、 |
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![]() 第9章 |
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その他の地域・主要国の二輪車産業の概況
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トルコ | |
◇ | 高インフレと利下げ政策の中、2022年に前年比62.3%増の41.6万台へ急増、 |
オーストラリア | |
◇ | インフレと金利引き上げによるレジャー消費落ち込みで |